水弾かない外壁が隠す危険性|撥水性劣化で起こる建物内部への深刻な被害

撥水

外壁の撥水効果が失われると、お住まいにどのような影響があるかご存知でしょうか。
単なる見た目の問題だと思われがちですが、実は建物の構造体に深刻な損傷をもたらす可能性があります。

水を弾かなくなった外壁は、雨水や湿気を建物内部に招き入れる入口となってしまうのです。
一度内部に浸入した水分は、目に見えない部分で建物の寿命を縮める原因となります。

水を弾かない状態とは何か

正常な外壁は雨水を表面で弾き、水滴となって流れ落ちます。
しかし撥水効果が失われた外壁では、水が表面に広がり、やがて材料内部に浸透していきます。

正常な撥水状態の特徴

健全な撥水性を持つ外壁では、雨水が表面に当たると小さな水玉となって転がり落ちます。
この現象により、外壁表面に付着した汚れも一緒に洗い流される「セルフクリーニング効果」が働きます。

水を外壁にかけた際、水玉ができてコロコロと転がる様子が確認できれば、撥水機能は正常に働いています。
外壁材そのものは多くの場合、吸水性がある素材で作られているため、撥水効果は塗装によって付与されているのです。

劣化した撥水性の見分け方

撥水性が低下すると、外壁に水をかけても水玉にならず、すぐに表面に広がってしまいます。
雨だれ汚れや黒ずみが目立つようになるのも、撥水効果の低下を示す明確なサインです。

外壁に水をかけてみた時に、「水玉ができる」、それはまさに撥水性が効いている証拠です!しかし、水が弾かずにすっと染み込んでしまう場合は、撥水性が失われている状態と判断できます。

専門家からのアドバイス
ペットボトルで外壁に少量の水をかけてテストしてみてください。水が水玉になって転がれば正常、広がってしまえば撥水性の低下を疑う必要があります。

撥水性が劣化するメカニズム

外壁の撥水性は永続的なものではなく、時間の経過と共に徐々に失われていきます。
その劣化には複数の要因が関わっており、理解しておくことで適切な対策を講じることができます。

紫外線による劣化

撥水加工の効果は永続的に続くわけではなく、紫外線の影響や水に長期間接すると効果が薄れてくるデメリットがあります。日光に含まれる紫外線は、撥水効果を持つ塗膜を分解し、その機能を失わせます。

南面や西面など、日当たりの良い外壁では、撥水性の劣化が他の面よりも早く進行する傾向があります。
この劣化は目に見えない分子レベルで進行するため、気づいた時にはかなり進行していることが多いのです。

経年による塗膜の劣化

塗装から年数が経過すると、塗膜自体が劣化し、表面にチョーキング現象が現れることがあります。
チョーキングは、塗料の劣化が進んだ証拠で、塗膜の保護機能が失われてきている状態です。

手で外壁を触った際に白い粉が付着する場合、塗膜の劣化が相当進行しており、撥水機能も大幅に低下していると考えられます。
この状態では、雨水の浸入リスクが高まっているため、早急な対策が必要です。

汚れの蓄積による機能低下

外壁表面に汚れが蓄積すると、撥水効果が阻害される場合があります。
排気ガスや砂埃、カビやコケの発生により、撥水性が本来の機能を発揮できなくなるのです。

茅ヶ崎のような海に近い地域では、塩分を含む海風の影響で汚れが付着しやすく、撥水性の劣化が進みやすい環境にあります。
定期的な清掃とメンテナンスが、撥水機能を長持ちさせる重要な要素となります。

建物内部への深刻な影響

撥水効果が失われた外壁から雨水が浸入すると、建物内部に様々な深刻な問題が発生します。
これらの被害は初期段階では目に見えないため、発見が遅れがちになることが大きな問題です。

防水層の突破プロセス

外壁から浸入してきた雨水はほとんどの場合、防水紙(透湿防水シート)でシャットアウトされます。更に雨漏りが進行し防水紙(透湿防水シート)を突破したとしても断熱材があり、ここで含水されてしまい、お部屋の壁に雨染みを作るまでには至らないことがほとんどです。

しかし、継続的な雨水の浸入により、防水層が劣化し、やがて突破されてしまいます。
一度防水層を突破した水分は、断熱材に含まれ、建物の構造体に直接影響を与え始めます。

室内に雨染みが現れる頃には、すでに建物内部で相当な被害が進行していると考える必要があります。
目に見える症状が現れる前に、対策を講じることが建物を守る上で極めて重要なのです。

湿気による二次被害

建物内部に侵入した水分は、湿気となって様々な二次被害を引き起こします。
カビの発生、木材の腐朽、金属部分の錆などが、構造体の強度を低下させる原因となります。

住まいを長持ちさせるには、壁の中に浸入した湿気が冷やされると発生する壁内結露への対策が必要不可欠です。なぜならば、目に見えない壁内で生じる結露は気づくことが困難であり、この結露による構造体の腐朽が原因で地震などの際に突然の被害を招きかねないからです。

特に現代の気密性の高い住宅では、一度侵入した湿気が外部に排出されにくく、問題が長期化する傾向があります。

重要なポイント
建物内部への水分浸入は、目に見える症状が現れるまでに長い時間がかかります。外壁の撥水性が低下した時点で、既に内部への影響が始まっている可能性があることを認識しておきましょう。

構造体への具体的な被害

撥水効果の失われた外壁から浸入した水分は、建物の構造体に取り返しのつかない損傷をもたらします。
これらの被害は修復に多額の費用と時間を要するため、予防が何より大切です。

鉄筋コンクリート造の場合

鉄筋コンクリートは、鉄筋を支えにしてコンクリートで肉付けしたものですが、内部の鉄筋に水分が浸透し続けると、鉄筋がサビで膨張し、コンクリートが割れてボロボロ剥がれてしまう爆裂現象が起きてしまいます。

この爆裂現象は建物の構造強度を著しく低下させ、地震時の安全性に深刻な影響を与えます。
一度発生すると、コンクリートの打ち直しや鉄筋の交換など、大規模な修繕工事が必要となります。

鉄筋コンクリート造の建物では、撥水性の維持が建物の寿命に直結する重要な要素となるのです。

木造建物の場合

木造建物では、水分の浸入により木材の腐朽が進行します。
構造材である柱や梁が腐朽すると、建物の耐震性能が大幅に低下し、地震時の倒壊リスクが高まります。

また、湿った木材はシロアリの格好の餌となり、食害による更なる被害拡大の可能性もあります。
一度腐朽が始まった木材の交換は、建物の解体を伴う大掛かりな工事となることが多いのです。

金属部分への影響

窓サッシやフェンス、鼻隠しや雨樋の部材など、外壁には様々な鉄部がありますが、鉄部の最大の弱点はサビです。外壁周辺の金属部分に水分が継続的に接触すると、錆が発生し、急速に拡大していきます。

錆の進行により、金属部分に穴が開いたり、強度が失われたりすると、交換や大規模な修繕が必要となります。
特に構造的に重要な金属部分の錆は、建物全体の安全性に関わる深刻な問題となります。

注意すべき警告サイン
外壁のひび割れ、金属部分の錆、カビやコケの発生が見られた場合は、既に水分の浸入が始まっている可能性があります。これらのサインを見つけたら、専門業者による詳細な調査を受けることをお勧めします。

撥水性劣化の早期発見方法

撥水性の劣化を早期に発見することで、深刻な被害を未然に防ぐことができます。
定期的なセルフチェックと専門業者による点検を組み合わせることが効果的です。

自分でできる簡易チェック

最も簡単な方法は、外壁に少量の水をかけて撥水性を確認することです。
ペットボトルで外壁に水をかけ、水玉ができるか確認してみましょう。もし水がすっと広がるようであれば、そろそろ再塗装を考えるタイミングかもしれません。

また、外壁を手で触った際に白い粉が付着するチョーキング現象の確認も重要です。
雨だれ汚れ、カビやコケの発生、外壁のツヤの消失なども、撥水性劣化のサインとして注意深く観察しましょう。

専門業者による診断

建物の構造や使用されている材料によって、撥水性の劣化パターンは異なります。
専門業者による定期点検では、目視だけでは分からない初期段階の劣化も発見できます。

茅ヶ崎のような海岸地域では、塩害の影響も考慮した専門的な診断が必要です。
地域の特性を理解した地元業者に相談することで、より適切な判断が得られるでしょう。

定期点検の重要性

一般的に外壁塗装は10年程度で見直しが必要とされていますが、立地条件や使用材料により劣化の進行速度は大きく異なります。
築5年程度から年1回の点検を行うことで、問題の早期発見が可能になります。

特に築10年を超える建物では、撥水性の劣化が進行している可能性が高いため、専門業者による詳細な診断を受けることをお勧めします。
早期の対応により、大規模な修繕工事を避け、建物を長期間にわたって健全な状態で維持できるのです。

外壁の撥水効果が失われることで生じるリスクは、単なる美観の問題を超えて、建物の構造的な安全性に関わる深刻な問題です。
定期的な点検と適切なメンテナンスにより、これらのリスクを未然に防ぎ、安心して暮らせる住まいを維持していくことが大切です。

建物の状態に不安を感じたら、専門業者への相談を検討してみてはいかがでしょうか。
茅ヶ崎での外壁診断や撥水性の回復工事は、ハーモニーホームにお任せください。

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