雨漏りが発生すると、多くの方が「屋根に問題があるのでは」と考えがちです。
しかし実際には、外壁が原因となるケースも非常に多いことをご存知でしょうか。
特に台風や強風を伴う雨の日にのみ雨漏りが発生する場合、外壁に原因があるケースが少なくありません。
このような状況でお困りの方も多いのではないでしょうか。
外壁からの雨漏りは屋根からのものと比べて発見が遅れがちで、気づいたときには被害が拡大していることもあります。
茅ヶ崎地域では海風による塩害や台風の影響で、外壁の劣化が進みやすい環境にあるため、特に注意が必要です。
1. 外壁からの雨漏りメカニズム
2. 屋根雨漏りとの症状の違い
3. 主な原因箇所|サッシ周り・目地・ひび割れ
4. 台風時のみ発生する外壁雨漏りの特徴
5. 応急処置の方法と注意点
6. 専門業者による診断の重要性
外壁からの雨漏りメカニズム
外壁からの雨漏りがどのように発生するのか、そのメカニズムを理解することで対策も立てやすくなります。
防水シートと二次防水の仕組み
外壁は基本的に二重の防水構造になっています。
外壁材が一次防水、その内側にある防水シートが二次防水としての役割を果たしています。
通常であれば、外壁材の隙間から多少の雨水が浸入しても、防水シートが受け止めて外部に排出される仕組みです。
しかし、この防水シートに劣化や破損が生じると、建物内部に雨水が侵入してしまいます。
断熱材への含有と症状の進行
防水シートを突破した雨水は、断熱材に含まれることがあります。
断熱材は水分を含みやすい性質があるため、ここで一時的に雨水が蓄積されます。
そのため、外壁からの雨漏りは室内の壁に雨染みが現れるまでに時間がかかる傾向があります。
お部屋の壁に明らかな雨染みが現れる頃には、かなりの時間が経過しているか、大量の雨水が浸入している可能性が高いといえるでしょう。
屋根雨漏りとの症状の違い
外壁からの雨漏りと屋根からの雨漏りでは、現れる症状に特徴的な違いがあります。
発生タイミングの違い
屋根からの雨漏りは、雨が降った当日や翌日に天井から水滴が落ちるなど、比較的すぐに症状が現れる傾向があります。
一方、外壁からの雨漏りは以下のような特徴があります。
・台風や強風時にのみ発生する
・通常の雨では問題ないが、横殴りの雨で発生する
・症状が現れるまでに時間がかかる
・壁の下部から徐々に雨染みが広がる
症状が現れる場所の特定
屋根雨漏りは天井の雨染みから比較的原因箇所を特定しやすいのに対し、外壁雨漏りは原因箇所の特定が困難な場合があります。
外壁は窓サッシや換気口、ベランダなど多くの部材が複雑に組み合わさっているため、雨水の侵入経路が複数にわたることも珍しくありません。
外壁雨漏りは構造内部を雨水が移動するため、室内で確認できる症状と実際の侵入箇所が大きく異なる場合があります。表面的な補修では解決しないことが多いため、原因の特定には専門的な調査が重要です。
主な原因箇所|サッシ周り・目地・ひび割れ
外壁雨漏りの主な原因となる箇所について、それぞれの特徴と対策をご紹介します。
サッシ周りからの浸入
窓サッシ周りは外壁雨漏りの最も多い原因箇所の一つです。
サッシを固定している釘やビスの緩み、サッシ周りのシーリング材の劣化により雨水が浸入します。
特に築10年以上経過している住宅では、シーリング材の硬化やひび割れが進行している可能性があります。
サッシ周りの雨漏りは室内の窓枠付近に症状が現れやすく、壁紙の浮きやめくれとして確認されることが多いでしょう。
外壁目地のシーリング劣化

サイディング外壁やALC外壁では、パネル同士をつなぐ目地にシーリング材が使用されています。
このシーリング材は紫外線や雨風により徐々に劣化し、ひび割れや剥離が生じます。
特にALC外壁は吸水性が高いため、目地のシーリング劣化は雨漏りに直結しやすい傾向があります。
目地からの雨漏りは外壁の広範囲に影響が及ぶ可能性があるため、早期の対応が重要です。
外壁のひび割れからの浸入
モルタル外壁では、経年劣化により外壁表面にひび割れが発生しやすくなります。
初期の細かいひび割れ(ヘアークラック)であれば緊急性は低いものの、構造的なひび割れに発展すると雨水の浸入リスクが高まります。
ひび割れからの雨水浸入は外壁材の劣化を加速させ、防水シートへの影響も懸念されるため、定期的な点検と適切な補修が必要です。
台風時のみ発生する外壁雨漏りの特徴
茅ヶ崎地域では台風による影響を受けやすく、通常の雨では問題ないのに台風時にのみ雨漏りが発生するケースがあります。
強風による押え込み効果
台風時の強風は、通常の雨とは異なる方向から雨水を建物に押し付けます。
換気フードや換気口など、普段は雨に濡れることのない箇所にまで雨水が到達し、普段は発見されない小さな隙間から雨水が浸入することがあります。
また、強風により外壁材が一時的に変形し、普段は密着している部分に隙間が生じることも台風時特有の現象です。
横殴りの雨への対応不足
外壁や屋根の防水は主に上からの雨を想定して設計されています。
そのため、台風による横殴りの雨には弱い構造となっている場合があります。
茅ヶ崎は海に面した地域のため、台風時には海からの強風により特に激しい横殴りの雨にさらされます。
このような条件下では、通常は問題のない箇所からも雨水が浸入する可能性があります。
台風時のみの雨漏りでも、建物に何らかの問題が潜んでいる証拠です。「台風の時だけだから」と放置せず、専門業者による調査を受けることをおすすめします。
応急処置の方法と注意点
外壁からの雨漏りが発生した場合の応急処置方法をご紹介します。
ただし、これらはあくまで一時的な対策であり、根本的な解決には専門業者による修理が必要です。
室内での応急処置
まずは室内の被害拡大を防ぐための対策を行いましょう。
雨水が垂れている箇所にバケツや洗面器を置き、床や家具への被害を最小限に抑えます。
雨水の跳ね返りを防ぐため、容器の底にタオルを敷いておくとよいでしょう。
壁紙の浮きや剥がれが見られる場合は、できるだけ触らずにそのままの状態を保ち、写真を撮って記録に残しておくことをおすすめします。
外壁の簡易補修
原因箇所が明確で安全に作業できる場合に限り、以下の応急処置が可能です。
防水テープによる補修
外壁のひび割れやシーリングの亀裂に防水テープを貼り、一時的に雨水の浸入を防ぎます。
ただし、濡れた状態では接着力が低下するため、雨がやんでから作業を行いましょう。
コーキング材による補修
小さなひび割れであれば、変成シリコン系などの塗装可能なコーキング材で隙間を埋めることができます。
シリコン系コーキング材は塗装ができないため避け、ノンブリードタイプを選ぶことが重要です。
補修前に周辺の汚れをきれいに除去し、乾燥させてから作業することが重要です。
注意点と自己判断の危険性
応急処置を行う際は、以下の点にご注意ください。
高所での作業は転落の危険があるため、絶対に無理をしないでください。
また、原因箇所を間違えて補修すると、雨水の流れが変わり別の箇所から雨漏りが発生する可能性があります。
むやみに複数箇所を補修すると、後の専門調査で原因特定が困難になることもあるため、最小限の応急処置に留めることが賢明です。
専門業者による診断の重要性
外壁雨漏りの根本的な解決には、専門業者による正確な診断が不可欠です。
調査方法の種類
専門業者では以下のような調査方法により原因を特定します。
目視調査
外壁の劣化状況やひび割れ、シーリングの状態を詳細に確認します。
経験豊富な技術者による目視調査では、一般の方では気づかない微細な不具合も発見できます。
散水調査
実際に水をかけて雨漏りを再現し、浸入経路を特定する調査方法です。
雨漏りの原因箇所を確実に特定できるため、効果的な修理計画を立てることができます。
茅ヶ崎地域での注意点
茅ヶ崎は海に近い立地条件のため、塩害による外壁の劣化が進みやすい環境にあります。
また、台風の通り道でもあるため、強風による外壁への影響も考慮した診断が必要です。
地域の気候特性を理解した地元の専門業者に相談することで、より適切な対策を提案してもらえるでしょう。
定期的なメンテナンスにより、雨漏りを未然に防ぐことも可能です。
築10年を目安とした外壁の点検をおすすめします。
海風による塩害対策として、定期的な外壁洗浄と塩分除去が効果的です。また、台風シーズン前の点検により、強風に備えた予防的な補修を行うことも重要です。
まとめ
外壁からの雨漏りは屋根からのものと比べて発見が遅れがちですが、早期発見と適切な対応により被害を最小限に抑えることができます。
特に台風時にのみ発生する雨漏りや、壁の下部から徐々に症状が現れる場合は、外壁に原因がある可能性を疑ってみましょう。
応急処置により一時的に症状が改善されても、根本的な原因が解決されていない限り、雨漏りは再発する可能性があります。
大切な住まいを長期間守るためにも、専門業者による正確な診断と適切な修理を受けることをおすすめします。
茅ヶ崎地域にお住まいの方で外壁の雨漏りでお困りの際は、地域の気候特性を理解した信頼できる業者にご相談ください。
早めの対応により、安心して暮らせる住環境を維持することができるでしょう。
茅ヶ崎地域での外壁塗装・雨漏り修理のご相談は、ハーモニーホームにお任せください。