ベランダ防水の各部名称と役割|茅ヶ崎市の住まいで知っておきたい構造

バルコニー 防水

洗濯物を干したり、ちょっとした家庭菜園を楽しんだり。
ベランダやバルコニーは、暮らしの中で何気なく使っている場所かもしれませんね。
でも、その床の下には、実は大切な防水の仕組みが隠れています。

「業者さんから『トップコートが劣化しています』と言われたけど、それって何のこと?」
「見積もりに『ドレン廻り』って書いてあるけど、どこのことだろう」
そんな疑問を感じたことはありませんか。

ベランダ防水には、いくつかの専門的な名称があります。
それぞれの部位がどんな役割を持っていて、どこを見れば劣化が分かるのか。
基本的な構造と名称を知っておくと、業者さんとの会話もスムーズになりますし、ご自宅の状態を把握しやすくなるかもしれません。

ベランダ・バルコニー防水が大切な理由

茅ヶ崎のような湘南エリアでは、2階建ての住宅が多く見られます。
そして多くの住まいで、2階部分にベランダやバルコニーが設けられていますね。

この2階のベランダ、実はその真下に居室があることがほとんどです。
つまり、ベランダの床は「下の部屋の天井」でもあるわけです。

もし防水が劣化して雨水が浸入すると、下の部屋の天井や壁にシミができたり、最悪の場合は雨漏りにつながることもあります。
また、建物の構造部分に水が入り込むと、柱や梁の劣化を早めてしまう心配も出てきます。

専門家からのアドバイスベランダ・バルコニーの防水は、屋根や外壁と同じくらい、あるいはそれ以上に重要な箇所と言えます。
人が歩く場所なので物理的な負担も大きく、雨や紫外線の影響を直接受けるため、実は劣化しやすい場所なのです。
定期的に状態を確認しておくことで、大きなトラブルを未然に防げる可能性が高まります。

見た目にはあまり変化がなくても、防水層は少しずつ劣化していきます。
だからこそ、構造や各部位の名称を知っておくことで、「どこをチェックすればいいのか」が分かりやすくなるわけです。

防水の基本構造|3つの層とその役割

ベランダやバルコニーの床は、見た目以上に複雑な構造になっています。
基本的には、下から順に「下地」「防水層」「トップコート」という3つの層で構成されているケースが多いです。

下地|建物本体を支える土台

バルコニー 防水

一番下にあるのが「下地」です。
これはコンクリートや木材などでできた、建物の構造部分そのものですね。
この下地の上に、防水の仕組みを作っていくわけです。

下地には、排水がスムーズに行われるよう、わずかに傾斜(勾配)がつけられています。
水が排水口に向かって自然に流れるよう、建築基準では1/50以上の勾配をつけることが定められているんです。
50センチ進んだら1センチ下がる、というくらいの緩やかな傾きです。

防水層|水の浸入を防ぐ本体

バルコニー 防水 バルコニー 防水

下地の上に施工されるのが「防水層」です。
これが、文字通り水を防ぐメインの層になります。

戸建て住宅のベランダでは、FRP防水かウレタン防水が使われることが多いです。

FRP防水は、ガラス繊維とプラスチック樹脂を組み合わせた防水層です。
軽くて丈夫なのが特徴で、バスタブや船体にも使われている素材なんですよ。
新築の住宅では、このFRP防水が採用されているケースが目立ちます。

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を作る方法です。
複雑な形状にも対応しやすく、改修工事でもよく選ばれています。

どちらの工法でも、防水層がしっかり機能していれば、雨水の浸入を防いでくれます。
ただ、この防水層も永久的なものではなく、おおむね10年から15年程度で交換や補修が必要になってくることが多いようです。

トップコート|表面を守る保護塗装

防水層の上に塗られているのが「トップコート」です。
グレーや薄い色で仕上げられていることが多く、実際に目に見えている表面がこの部分ですね。

トップコートの役割は、防水層を紫外線や雨風から守ることです。
防水層自体は紫外線に弱い性質があるため、このトップコートが劣化を遅らせてくれているわけです。

トップコートは防水層よりも劣化が早く、だいたい5年程度が塗り替えの目安と言われています。
表面が色あせてきたり、細かいひび割れが見られたりしたら、トップコートの劣化サインかもしれません。

各部位の名称と機能を知る

ベランダには、床面以外にもいくつか大切な部位があります。
それぞれの名称と役割を知っておくと、点検や相談の際に役立ちます。

ドレン(排水口)|雨水を排出する要所

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「ドレン」というのは、ベランダの排水口のことです。
雨水が溜まらないよう、外部へ排出する大切な役割を担っています。

ドレンには、床面に垂直に設置される「縦型ドレン」と、壁面に横向きに設置される「横型ドレン」があります。
戸建て住宅では縦型が多く見られますが、建物の構造によって使い分けられているようです。

ドレンの周りは防水層との接合部分になるため、実は雨漏りの原因になりやすい箇所でもあります。
防水層とドレンの取り合い部分にすき間ができていないか、定期的に確認しておきたいところです。

また、ドレンには「ストレーナー」と呼ばれる目皿のようなものが付いています。
これは落ち葉やゴミが排水管に流れ込まないようにするフィルターの役目をしています。
ここにゴミが溜まると排水不良の原因になるので、定期的な掃除が大切ですね。

立ち上がり|壁際の防水処理

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ベランダの床と壁が接する部分を「立ち上がり」と呼びます。
防水層は床だけでなく、壁面に向かって立ち上げて施工されています。

建築基準では、外壁側で250ミリ(25センチ)以上、室内側で120ミリ(12センチ)以上の立ち上がりが必要とされています。
この立ち上がりがないと、雨水が壁伝いに室内に侵入してしまう恐れがあるわけです。

立ち上がり部分は、床面と壁面の角になるため、ひび割れが発生しやすい箇所でもあります。
この部分に亀裂が入っていないか、時々確認してみるといいかもしれません。

笠木|手すり上部を覆う部材

ベランダの手すりや壁の上部を覆っている部材を「笠木」と呼びます。
金属製やコンクリート製のものがあり、雨水が壁の内部に入り込むのを防ぐ役割を果たしています。

笠木は傷みにくい素材でできていることが多いのですが、接合部分や固定用のビス穴から雨水が浸入することがあります。
特に、笠木を重ね合わせた部分のズレやすき間には注意が必要です。

古いタイプの笠木では、内部に木材が使われていることもあります。
破損部分から雨水が入ると、内部の木材が腐食して雨漏りにつながる可能性もあるので、異常を見つけたら早めに対処したいところです。

勾配|水を誘導する傾き

先ほども少し触れましたが、ベランダの床には「勾配」という緩やかな傾斜がつけられています。
これは雨水をドレンに向かって自然に流すための仕組みです。

もし水たまりができやすい場所があるとしたら、勾配が不足しているか、ドレンが詰まっているかのどちらかかもしれません。
水たまりができると、その部分の防水層に負担がかかり、劣化が早まる傾向があります。

茅ヶ崎特有のポイント茅ヶ崎は海に近いため、潮風の影響を受けやすい環境です。
特に金属製の笠木やドレンは、塩害による腐食が進みやすい傾向があります。
定期的に水洗いをして塩分を落としておくことで、劣化を遅らせることができるかもしれません。

劣化のサインと確認ポイント

ベランダの防水は、どんな症状が出たら注意が必要なのでしょうか。
いくつか代表的な劣化サインを見ていきましょう。

トップコートの劣化サイン

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表面のトップコートが劣化してくると、いくつかの症状が現れます。

色あせや白っぽいチョーキング現象が見られたら、トップコートが紫外線で劣化してきているサインです。
また、細かいひび割れ(ヘアクラック)が網目状に広がることもあります。

この段階であれば、トップコートの塗り替えだけで済むことが多いようです。
ただ、放置していると下の防水層まで劣化が進んでしまう恐れがあります。

防水層まで達した劣化サイン

トップコートを超えて防水層まで劣化が進むと、もう少し深刻な症状が出てきます。

床面に膨れが発生している場合、防水層の内側に水が入り込んでいる可能性があります。
これは、下地からの水蒸気や雨水の浸入によって、防水層が浮き上がってしまう現象です。

また、防水層そのものが剥がれてきたり、大きなひび割れができている場合は、かなり劣化が進んでいると考えられます。
このような状態では、トップコートだけでなく防水層の全面改修が必要になってくるかもしれません。

雨漏りの兆候

ベランダの真下にある部屋の天井や壁に、雨染みや水滴の跡が見られたら要注意です。
これは既に雨漏りが発生しているサインで、早急な対応が求められます。

また、ベランダの裏側(軒天井)に雨染みがある場合も、防水層が機能していない証拠かもしれません。

雨漏りが起きている状態では、建物の構造部分にも水が浸入している可能性が高いです。
柱や梁の腐食、シロアリの発生などのリスクも高まるため、できるだけ早く専門業者に相談することをおすすめします。

ドレン周りのトラブル

排水口の周りも、よく確認しておきたい箇所です。

ドレンにゴミや落ち葉が詰まっていると、雨水がうまく排出されず、ベランダに水が溜まってしまいます。
水たまりができやすいと感じたら、まずドレンの清掃をしてみるといいかもしれません。

また、ドレンと防水層の取り合い部分にすき間ができていないか、たまに目視で確認してみましょう。
この部分から雨水が浸入すると、室内への雨漏りにつながりやすいです。

メンテナンスの目安時期

それぞれの部位によって、メンテナンスの目安時期は異なります。

トップコートは、だいたい5年ごとの塗り替えが推奨されています。
定期的にトップコートを塗り直しておくことで、下の防水層を長持ちさせることができます。

防水層本体は、10年から15年程度で全面改修を検討する時期と言われています。
ただし、使用環境や施工の質によって劣化の進み方は変わってくるので、一概には言えない部分もあります。

ドレンの清掃は、3ヶ月に1回程度が目安です。
特に秋の落ち葉の時期や、近くに木がある場合は、もう少し頻繁に掃除しておくと安心です。

もちろん、これらはあくまで一般的な目安です。
実際の状態は専門業者に見てもらって、適切な時期を判断してもらうのが確実かもしれません。

まとめ|名称を知ることで適切な対応が可能にベランダ・バルコニーの防水は、下地・防水層・トップコートという3層構造が基本です。
そして、ドレン、立ち上がり、笠木といった各部位にも、それぞれ大切な役割があります。

これらの名称や構造を知っておくことで、業者さんからの説明も理解しやすくなりますし、ご自身でも劣化のサインに気づきやすくなります。
特に茅ヶ崎のような海に近いエリアでは、潮風による影響も考慮しながら、定期的なメンテナンスを心がけたいところです。

少しでも気になる症状があれば、早めに専門業者に相談してみることをおすすめします。

大切な住まいを長く守るためには、やはり定期的な点検と適切なメンテナンスが欠かせません。
茅ヶ崎でのベランダ・バルコニー防水は、ハーモニーホームにお任せください。

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