ユニプラルSLという外壁材をお使いのお住まいで、そろそろメンテナンスの時期かなとお考えではないでしょうか。
「普通の外壁塗装と同じように塗れば良いのでは」と思われるかもしれませんが、実はユニプラルSLは特殊な塗装方法が必要な外壁材なんです。
間違った方法で塗装してしまうと、数年で塗料が剥がれてしまうこともあります。
特に下地処理を誤ると、せっかくの高級外壁が台無しになってしまう可能性もあるんですね。
この記事では、ユニプラルSL外壁の特徴から適切な塗装方法まで、現場での経験を踏まえてお伝えしていきます。
1. ユニプラルSLとはどんな外壁材なのか
2. ユニプラルSL外壁に現れる劣化症状
3. メンテナンス時期の見極め方
4. ユニプラルSL外壁の正しい塗装方法
5. 施工費用の目安と業者選びのポイント
ユニプラルSLとはどんな外壁材なのか
ユニプラルSLは、ゲーテハウス株式会社が取り扱う天然無機の塗り壁材です。
南フランス風の雰囲気が特徴的で、左官職人が手作業で仕上げる高級外壁材として知られています。
主な特徴
主成分はガラス質骨材(高炉水砕スラグ)で、無機顔料を使用しているため色褪せしにくいという特性があります。
最大20mmまでの厚塗りが可能なので、石積み調やレリーフなど立体的な装飾も表現できるんですね。
天然の無機素材を使用した環境に優しい外壁材です。
また、塗り壁ならではの特徴として、サイディングボードのような継ぎ目(目地)がないため、壁面が一体的ですっきりとした印象になります。
新築時は「メンテナンスフリー」と説明されることもあるようですが、実際には他の外壁材と同様に定期的なメンテナンスが必要になってきます。
ユニプラルSLと似た外壁材
ユニプラルSLと同じような塗り壁系の外壁材として、ジョリパット(アイカ工業)やベルアート(エスケー化研)などがあります。
これらも似たような特性を持っているため、メンテナンス方法も共通する部分が多いかもしれません。
ユニプラルSL外壁に現れる劣化症状
ユニプラルSLは無機質の素材なので劣化しにくいとされていますが、実際には時間とともにいくつかの症状が現れてきます。
汚れの発生
表面に凹凸があり、艶がない仕上げのため、どうしても汚れが付きやすい傾向があります。
特に軒の出が少ない現代的なデザインの住宅では、雨が直接外壁に当たるため汚れが目立ちやすくなるようです。
窓周りの雨だれや、日当たりが悪い場所では藻やカビが発生することもあります。
これらは外壁材そのものの劣化というより、表面の汚れによる美観の低下といえます。
石粒が落ちる現象
経年とともに、外壁を手で触ると石粒がパラパラと落ちてくることがあります。
これは紫外線の影響で、ガラス質の骨材同士をつなぐ力が弱くなってきている状態です。
バルコニーや土間コンクリートに石粒が散らばっているのを見つけたら、外壁の劣化が進んでいるサインかもしれません。
特に日当たりが良く雨風にさらされやすい場所で起こりやすい症状です。
ひび割れの発生
無機質の素材は伸縮性がないため、建物自体の動きに追従できずひび割れが発生することがあります。
窓周りや角部など、力が集中しやすい場所に出やすい傾向があります。
髪の毛程度の細いひび割れ(ヘアークラック)でも、そこから雨水が浸入する可能性があるため、早めの対処が望ましいでしょう。
石粒が落ちている、ひび割れが見られるなどの症状があれば、早めに専門業者に相談されることをおすすめします。
茅ヶ崎のような海に近い地域では、塩害の影響も考慮する必要があるかもしれません。
メンテナンス時期の見極め方
ユニプラルSL外壁のメンテナンス時期は、一般的に築10~15年が目安とされています。
ただし、環境や劣化の進行具合によって異なるため、定期的なチェックが大切です。
自分でできるチェック方法
まず、外壁全体を見て部分的に汚れている箇所がないか確認してみましょう。
窓周りの雨だれ跡や、日陰になる部分の黒ずみなどは劣化のサインです。
次に、手で軽く外壁を触ってみて、石粒が落ちてこないか確認します。
特に日当たりが良い南面や西面で試してみるとよいでしょう。
バルコニーや玄関ポーチなどに外壁から落ちた石粒が散らばっていないかもチェックポイントです。
雨上がりに外壁が濡れた状態を見て、いつまでも水が染み込んだままになっている場合は防水性が低下している可能性があります。
専門家による診断の重要性
自己診断で問題が見つからなくても、築10年を過ぎたら一度専門業者に診断を依頼されることをおすすめします。
プロの目で見ると、素人では気づきにくい劣化症状を発見できることも多いんです。
特にユニプラルSLは特殊な外壁材なので、施工経験のある業者に相談することが大切です。
茅ヶ崎市内でも、ユニプラルSLの取り扱い経験がある業者は限られているかもしれません。
ユニプラルSL外壁の正しい塗装方法
ユニプラルSL外壁の塗装は、通常の外壁塗装とは大きく異なる特殊な工法が必要です。
最も重要なのは下塗り工程で、ここを間違えると数年で塗料が剥がれてしまうこともあります。
高圧洗浄での注意点
まず、高圧洗浄で外壁の汚れを落とす作業から始まります。
ただし、通常の外壁よりも水圧を弱め(中圧程度)に設定する必要があります。
強すぎる水圧をかけると、劣化した表面が剥がれてしまう可能性があるんです。
また、洗浄後にユニプラルが大量の水を吸い込むため、その後の塗料選定が非常に重要になってきます。
下塗り3回の重要性
ユニプラルSL塗装で最も大切なのが下塗り工程です。
通常の外壁塗装では下塗り1回が一般的ですが、ユニプラルSLでは下地の状態に応じて複数回の下塗りが必要になります。
まず浸透性シーラーを使用します。
これは下地の奥まで浸透して、脆くなった外壁をしっかりと固める役割があります。
ユニプラルは非常に塗料を吸い込みやすい素材なので、状態が良好であれば1回で済む場合もありますが、一般的には2回塗布が必要になることが多いです。
最終的な判断は現場の状態を見て行うことになります。
その後、弾性フィラーを塗布します。
これには2つの目的があって、一つは目に見えない細かいひび割れを埋めること、もう一つは今後発生するひび割れに追従できる柔軟性のある塗膜を形成することです。
浸透性シーラーで下地をしっかり固め、弾性フィラーでひび割れ対策を行う、この段階的な下地処理がユニプラルSL塗装の基本です。
適切な回数は現場を見て判断することになります。
上塗り塗料の選び方
上塗り塗料には大きく分けて2つの選択肢があります。
選択肢1:汚れ対策を重視した塗装
シリコンやフッ素などの高耐候性塗料を使用する方法です。
艶あり、艶消しなど仕上がりの質感を選ぶこともできます。
この方法のメリットは、汚れが付きにくく雨水で流れやすいこと、耐候性が高く長持ちすることです。
塗膜が厚くなるため、ある程度の凹凸は平滑化されますが、完全にフラットになるわけではありません。
ユニプラル特有の質感は若干変わる可能性があります。
外壁の劣化が進んでいる場合や、砂がサラサラ落ちてしまうような状態では、こちらの方法が適しているかもしれません。
選択肢2:風合いを重視した塗装
ジョリパットフレッシュ(アイカ工業)、アートフレッシュ(エスケー化研)、インディフレッシュセラ(日本ペイント)などの砂壁調塗り替え用塗料を使用する方法です。
これらの塗料は、既存の凹凸にまんべんなく入り込み、ユニプラル特有の艶消しの風合いを保ちながら塗り替えができます。
呼吸する壁の特性も維持できるため、ユニプラル本来の良さを残したい方に向いているでしょう。
ただし、選択肢1の高耐候性塗料と比べると、やや汚れやすい傾向はあるかもしれません。
どちらの方法でも、適切な下塗り+上塗り2回が基本になります。
施工費用の目安と業者選びのポイント
費用の目安
ユニプラルSL外壁の塗装は、通常の外壁塗装よりも費用が高くなる傾向があります。
その理由は、下塗りが3回必要なこと、特殊な下塗り材が必要なこと、施工経験のある職人が限られることなどが挙げられます。
一般的な2階建て住宅(30~40坪)の場合、外壁塗装のみで44万円(税別)程度~が目安となるでしょう。
ただし、これはあくまで外壁塗装部分のみの費用で、サッシ周りのコーキング工事、足場代、諸経費などは別途必要になります。
建物の状態や立地条件、選択する塗料によっても変動しますので、詳細は現地調査の上で見積もりを取ることをおすすめします。
業者選びで失敗しないために
ユニプラルSL外壁の塗装で最も重要なのは、施工経験のある業者に依頼することです。
この外壁材を扱った経験のない業者だと、適切な下塗り材の選定や施工方法が分からず、後々トラブルになる可能性があります。
見積もりを依頼する際は、以下の点を確認するとよいでしょう。
まず、ユニプラルSLという外壁材について知識があるか確認してみましょう。
特殊な外壁材なので、知らない業者も少なくありません。
下塗り材の種類と施工回数を確認します。
浸透性シーラーと弾性フィラーを使った下地処理を提案しているか、その理由を明確に説明できるかがポイントです。
見積書に下塗り塗料の商品名が記載されているかもチェックしましょう。
「下塗り一式」のような曖昧な記載だと、適切な材料が使われるか不安が残ります。
高圧洗浄の水圧設定について配慮があるかも大切です。
ユニプラルは弱い素材なので、中圧で優しく洗浄する必要があることを理解している業者かどうかが分かります。
下塗り回数を減らしたり、適切でない塗料を使用したりすることで、安く見せている可能性があります。
複数社から見積もりを取り、内容をしっかり比較検討することをおすすめします。
長持ちさせるためのメンテナンス計画
塗装後も定期的な点検を行うことで、外壁を長持ちさせることができます。
年に1~2回程度、外壁の状態を目視で確認してみましょう。
汚れが気になる場合は、柔らかいブラシと水で優しく洗うことで、ある程度の汚れは落とせます。
ただし、高圧洗浄機の使用は塗膜を傷める可能性があるため、避けた方がよいでしょう。
塗装から10~15年経過したら、再度専門業者による診断を受けることをおすすめします。
早めに次のメンテナンスを計画することで、大規模な補修が必要になる前に対処できます。
ユニプラルSL外壁は特殊な外壁材ですが、適切なメンテナンスを行えば長く美しい状態を保つことができます。
劣化症状が見られたら、経験豊富な専門業者に相談して、適切な時期に適切な方法でメンテナンスを行うことが大切です。
外壁の状態が気になる方は、まず専門業者に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
茅ヶ崎でのユニプラルSL外壁の塗装は、ハーモニーホームにお任せください。
