屋根工事・カバー工法と葺き替えの判断基準｜茅ヶ崎市

屋根のリフォームを検討されている方から、「カバー工法と葺き替え、どちらを選べばいいのか」というご相談を多くいただきます。
この二つの工法は施工方法も費用も大きく異なり、屋根の状態によって適した選択肢が変わります。
ハーモニーホームでは、これまで茅ヶ崎市を中心に数多くの屋根工事を手がけてきた経験から、お客様の状況に最適な工法をご提案しています。

海に近い茅ヶ崎市では、塩害への配慮も重要です。
また、瓦屋根をお使いの場合は、地震対策として軽量化を検討される方も増えています。
この記事では、それぞれの工法の特徴と、お客様のお住まいに合った選び方について詳しく解説します。

屋根カバー工法と葺き替えの基本的な違い

屋根工事を検討する際、まず理解していただきたいのが二つの工法の基本的な違いです。
ハーモニーホームでは、お客様の屋根の状態を詳しく調査した上で、最適な工法をご提案しています。

カバー工法とは

カバー工法は、既存の屋根材をそのまま残し、その上に防水シートと新しい屋根材を重ねる工法です。
「重ね葺き」とも呼ばれます。
既存屋根を撤去しないため、廃材処分の手間が少なく、工期も短縮できます。

主にスレート屋根や金属屋根といった平らな屋根材の上に施工します。
新しい屋根材としては、軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板系の製品を使用します。

葺き替えとは

葺き替えは、既存の屋根材を完全に撤去し、下地の点検・補修を行った上で新しい屋根材を設置する工法です。
屋根を一から作り直す工事になります。

既存屋根の撤去作業が入るため、カバー工法よりも工期が長く、廃材処分費も発生します。
その分、防水シートや下地まで新しくできるため、屋根全体を確実にリフレッシュできます。
瓦屋根から軽量な金属屋根に変更する場合は、葺き替えが必須です。

カバー工法と葺き替えそれぞれが向いている屋根

どちらの工法を選ぶかは、現在の屋根の状態によって決まります。
ハーモニーホームでは、屋根診断の段階で詳しく状態を確認し、お客様に最適な工法をご提案しています。

カバー工法が適している場合

カバー工法は、既存の屋根材に劣化が見られても、下の防水シートや下地がまだ健全な状態にある場合に適しています。
スレート屋根の表面が色褪せている、苔が生えている、小さなひび割れがあるといった状態であれば、カバー工法で対応できます。

築15年から25年程度で、これまで大きな雨漏りなどのトラブルがなかった屋根は、カバー工法の候補として検討できます。
また、工事費用を抑えたい、工事期間を短くしたいといったご要望がある場合にも向いています。

ただし、カバー工法を行うためには、既存の屋根面がある程度平らであることが条件になります。
瓦屋根のように凹凸がある形状には適用できません。

葺き替えが必要な場合

葺き替えが必要なのは、屋根材だけでなく下地にも劣化が進んでいる可能性がある場合です。
雨漏りが発生している、屋根を歩くとふわふわする感じがある、天井にシミができているといった症状があれば、下地まで傷んでいると判断します。

築30年以上経過している、過去に雨漏りを経験している、大きな台風被害を受けたことがあるといった場合は、葺き替えを検討する必要があります。
また、現在が瓦屋根で金属屋根に変更したい場合も、葺き替えが必要になります。

瓦屋根から軽量屋根への葺き替えで耐震性向上

瓦屋根をお使いの方から、「地震が心配なので屋根を軽くしたい」というご相談を多くいただきます。
実際、瓦屋根から軽量な金属屋根に葺き替えることで、建物の耐震性を大幅に向上させることができます。

屋根軽量化がもたらす耐震効果

建築基準法の屋根重量区分では、金属屋根は瓦屋根の約10分の1の軽さと定義されています。
屋根が軽くなることで建物の重心が下がり、地震の揺れによる建物への負担が大幅に軽減されます。

瓦屋根の重さは1㎡あたり約50kgですが、ガルバリウム鋼板などの金属屋根は1㎡あたり約5-7kgです。
100㎡の屋根面積の場合、瓦屋根では約5,000kgの重さがありますが、金属屋根に葺き替えることで約500-700kgまで軽減できます。
実に4,000kg以上の軽量化が実現できるのです。

瓦屋根葺き替えのメリット

瓦屋根から軽量屋根への葺き替えには、耐震性向上以外にも多くのメリットがあります。

建物の柱や壁への負担軽減が大きなメリットです。
元々重い屋根を支えるために設計されていた建物が、屋根を軽くすることで構造的な余裕が生まれます。

また、瓦屋根のメンテナンスで必要だった漆喰の塗り直しが不要になります。
金属屋根は30年程度の耐久性があり、その間は大きなメンテナンスが不要です。

地震災害後の復旧も容易です。
大きな地震が発生した際、瓦屋根は文字通り「瓦礫」となり、撤去作業に膨大な時間がかかります。
金属屋根は長尺で軽いため、万が一の際の撤去や復旧作業が格段に楽になります。

瓦屋根葺き替えのデメリット

瓦屋根から軽量屋根への葺き替えにも、いくつか注意すべき点があります。

最大のデメリットは撤去費用の高さです。
瓦は重く、処分費用も高額になります。
特に土葺き工法(土を使って瓦を固定する古い工法)の場合、土の撤去・処分費用も加わるため、工事費用は高額になります。

また、瓦屋根特有の重厚感や和風の雰囲気は失われます。
和風建築の外観を保ちたい場合は、Tルーフの「クラシック」など、瓦の形状を模した金属屋根材を選ぶことで、雰囲気を残すことができます。

瓦は耐久年数が50年以上と非常に長いため、金属屋根の30年程度と比べると長期的な耐久性では劣ります。
ただし、メンテナンス費用を含めたトータルコストでは、金属屋根の方が経済的なケースが多いです。

カバー工法・葺き替え費用の比較と考え方

屋根工事は大きな出費になりますから、費用は重要な判断材料です。
ハーモニーホームでは、初期費用だけでなく、長期的な視点でのコストもご説明しています。

それぞれの工法の費用目安

一般的な二階建て住宅(屋根面積70-100㎡程度)を想定した場合、カバー工法の費用は80万円から150万円程度です。
一方、葺き替えの場合は100万円から250万円程度と、やや高額になります。

この差は主に、既存屋根の撤去費用と廃材処分費によって生まれます。
カバー工法では棟板金や雪止めなど一部の部材のみを撤去しますが、葺き替えでは屋根材すべてを撤去・処分するためです。

瓦屋根の葺き替えの場合は、瓦の重さと処分費用により、150万円から300万円程度が相場になります。
特に土葺き瓦屋根の場合は、土の撤去・処分費用も加わるため、費用は高くなります。

次回メンテナンスまでを含めた考え方

初期費用だけを見るとカバー工法の方が安く感じられますが、ハーモニーホームでは長期的な視点でのご提案を心がけています。

カバー工法の場合、次回の大規模リフォーム時には、基本的に二重になった屋根材を両方とも撤去する必要があります。
三重にカバーすることは、重量や施工上の問題から推奨されません。
そのため、20-30年後の次回リフォーム時には、二重の屋根材の撤去・処分費用がかかり、通常の葺き替えより高額になります。

また、金属屋根は長期的な耐久性がありますが、途中で塗装メンテナンスが必要になる場合があります。
Tルーフは美観保証10年・基材保証30年で、美観保証期間を過ぎた後は状況に応じて塗装を検討します。
スーパーガルテクトは塗膜保証15年ですので、15-20年程度を目安に屋根の状況を確認し、必要に応じて塗装メンテナンスを行います。

一方、葺き替えで下地から新しくした屋根は、適切なメンテナンスを行えば長期的な安心が得られます。
今後何十年その家に住み続けるのか、将来的な建て替えの予定はあるのかといった長期的な計画も、選択の際に考慮する要素になります。

屋根の下地に問題がない場合は、カバー工法が適切な選択となります。

おすすめ屋根材：Tルーフとスーパーガルテクト

ハーモニーホームでは、カバー工法・葺き替えのどちらの場合も、主に2つの高性能屋根材をおすすめしています。
それぞれに特徴があり、お客様のご要望に応じて最適な屋根材をご提案します。

LIXIL Tルーフの特徴

Tルーフは、ガルバリウム鋼板に天然石粒をコーティングした高性能屋根材です。

天然石粒コーティングによるメンテナンス軽減が最大の特徴です。
表面が天然石のため、一般的な金属屋根で必要な定期的な塗装メンテナンスが基本的に不要です。
天然石本来の色をそのまま採用しているため、色あせ・色落ちはほとんどありません。

LIXILの保証は美観10年・基材30年です。
美観保証期間を過ぎた後、状況に応じて塗装メンテナンスを検討することがあります。
ただし、通常の使用状況であれば、一般的な金属屋根よりもメンテナンスの頻度は少なくて済みます。

軽量で耐震性が高いことも大きなメリットです。
1㎡あたり約7kgと、瓦屋根の約7分の1、スレート屋根の約3分の1の軽さです。
建物への負担が少なく、地震の揺れに強い住宅を実現できます。

遮音性に優れている点も見逃せません。
天然石粒が雨音を吸収・拡散するため、金属屋根特有の雨音が気になりません。
屋根材と下地の間の空気層も遮音効果を発揮します。

LIXILの保証も充実しており、美観10年保証・基材30年保証が付いています。

Tルーフの3つのデザイン

Tルーフには3つのデザインバリエーションがあります。

Tルーフクラシックは瓦形状で、和風住宅に最適です。
瓦屋根から葺き替える際も、外観の雰囲気を保つことができます。
カラーは6色から選べます。

Tルーフヴェルウッドは平板タイプで、最も人気があります。
杉板調の木目デザインで、モダンな住宅によく合います。
カラーは2色から選べます。

Tルーフモダンは凹凸があり、落ち着いた印象を演出します。
レンガ調の外壁や洋風住宅に調和します。
カラーは3色から選べます。

Tルーフの注意点

施工直後は天然石粒が落ちることがあります。
製造時に表面を完全に覆うため多めに付着しており、余分な石粒が落ちますが、時間経過とともに定着が進みます。

断熱性は断熱材一体型の屋根材と比べると低めです。
断熱性を重視する場合は、施工時に別途断熱材を入れることをおすすめします。

アイジー工業 スーパーガルテクトの特徴

スーパーガルテクトは、アイジー工業が製造する断熱材一体型の金属屋根材です。
日本で最も販売量が多い戸建て住宅用の金属屋根として知られています。

超高耐久ガルバ(エスジーエル鋼板)採用が最大の特徴です。
従来のガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えることで、錆びにくさを約3倍に向上させています。
穴あき25年保証・赤さび20年保証・塗膜15年保証と、非常に手厚い保証内容です。

塗膜保証は15年ですので、15-20年程度を目安に屋根の状況を確認し、必要に応じて塗装メンテナンスを検討します。

断熱材一体型で快適性が高いことも大きなメリットです。
裏面に断熱材が一体化されており、夏の暑さや冬の寒さを和らげます。
表面には遮熱塗料が塗装されており、太陽の熱を反射して室内温度の上昇を抑えます。

軽量で耐震性に優れる</strong点もTルーフと同様です。
1㎡あたり約5kgと非常に軽量で、スレート屋根の約4分の1、瓦屋根の約10分の1の重さです。

豊富なカラーバリエーションも魅力です。
6色以上のカラー展開があり、建物全体のカラーバランスに合わせて選べます。
特殊なちぢみ塗装で高級感あふれる質感を実現しています。

スーパーガルテクトの注意点

一般的には断熱材一体型のため価格が高めとされていますが、性能と保証内容を考慮すると、長期的なコストパフォーマンスに優れています。

遮音性については、Tルーフの天然石粒コーティングと比べるとやや劣ります。
ただし、断熱材が裏面に付いているため、一般的な金属屋根よりは雨音を軽減できます。

Tルーフとスーパーガルテクトの比較

Tルーフが向いているケース
・塗装メンテナンスを完全に不要にしたい
・雨音を最小限に抑えたい
・和風住宅で瓦の雰囲気を残したい
・茅ヶ崎のような海に近い地域で塩害対策を重視したい

スーパーガルテクトが向いているケース
・断熱性能を重視したい
・より軽量な屋根にしたい
・豊富なカラーから選びたい
・手厚い保証を重視したい

天窓（トップライト）がある場合の工事方法

屋根に天窓（トップライト）が設置されている場合、屋根リフォームのタイミングで天窓をどう扱うかを検討する必要があります。
天窓は採光や通風に優れていますが、屋根との接続部分が雨漏りしやすい弱点でもあります。
ハーモニーホームでは、天窓の状態とお客様のご要望に応じて、最適な工事方法をご提案しています。

天窓の3つの選択肢

屋根リフォーム時の天窓の扱いには、主に3つの選択肢があります。

1. 天窓を塞ぐ（天窓納め）

天窓の上に金属板を被せて塞ぐ方法です。
職人が天窓の寸法に合わせて板金を加工し、天窓を覆うように施工します。

採光が不要になった場合や、天窓からの熱気・眩しさを解消したい場合に適しています。
費用は1箇所あたり3-10万円程度が目安です。
室内側の処理内容によって費用は変動します。

2. 天窓を交換する

古い天窓を撤去し、新しい天窓を設置する方法です。
天窓周辺の屋根材を部分的に処理し、新しい天窓を取り付けます。

最新の高性能天窓に交換することで、断熱性や防水性が大幅に向上します。
費用は1箇所あたり15-35万円程度で、室内の内装工事の範囲によって変動します。

天窓が古い場合（築25-30年以上）で、今後も採光が必要な場合は、交換をおすすめします。

3. 天窓を撤去する

天窓を完全に撤去し、屋根材で塞ぐ方法です。
撤去後の開口部に構造用合板で下地を作り、防水シートと屋根材で仕上げます。

室内側も適切に処理することで、天窓があったことが分からないように仕上げられます。
費用は屋根側のみで3-10万円程度、室内の内装工事（クロス張替え、天井ボード施工など）を行う場合は5-20万円程度が追加でかかります。

天窓工事の判断基準

天窓を交換する場合
・今後も採光や通風のメリットを活用したい
・天窓から雨漏りはしているが、採光は必要
・最新の高性能天窓で断熱性を向上させたい

天窓を撤去する場合
・雨漏りのリスクを完全に無くしたい
・採光が必要なくなった
・メンテナンスの手間を減らしたい
・次回のリフォーム時の負担を軽減したい

天窓を塞ぐ（天窓納め）する場合
・費用を最小限に抑えたい
・採光は不要だが、大規模な工事は避けたい
・天窓からの熱気や眩しさを解消したい

茅ヶ崎市で屋根工事を行う際の注意点

茅ヶ崎市で屋根工事を行う場合、この地域ならではの特性を考慮する必要があります。
ハーモニーホームは地域密着で長年営業しており、茅ヶ崎の気候特性を熟知しています。

塩害への配慮

海岸線から数キロメートル以内の地域では、潮風によって金属部分に錆が発生しやすくなります。
屋根材を選ぶ際には、耐塩害性能の高い製品を選ぶことが重要です。

Tルーフは天然石粒コーティングにより、金属部分が直接潮風にさらされにくく、塩害に強い特性があります。
海岸からの距離に応じて、適切な仕様の屋根材を選定します。

台風への備え

茅ヶ崎は台風の通り道になることもある地域です。
屋根工事を行う際には、強風への耐性も考慮します。

カバー工法でも葺き替えでも、しっかりとビス固定を行い、棟部分の施工を丁寧に行うことが大切です。
ハーモニーホームでは、確実な施工を心がけています。

地域の気候に合わせた提案

茅ヶ崎は比較的温暖な気候ですが、夏の日差しは強くなります。
屋根の遮熱性能も、室内の快適性に影響します。

Tルーフは天然石粒が熱を伝えにくくし、屋根材と下地の間の空気層が遮熱効果を発揮します。
カバー工法で屋根が二重になることでも、遮音性とともに断熱性が向上します。

カバー工法と葺き替えの工期と生活への影響

屋根工事は日常生活を送りながら行うことになりますから、工期の長さや生活への影響も重要です。
ハーモニーホームでは、お客様の生活への影響を最小限に抑えるよう配慮しています。

カバー工法の工期

カバー工法の場合、一般的な住宅であれば4日から7日程度で工事が完了します。
既存屋根の撤去作業がない分、工程がシンプルになります。

足場の設置に1日、既存屋根の洗浄と棟板金などの撤去に1日、防水シートの施工に1日、新しい屋根材の設置に2-3日、足場の撤去に1日といった流れです。
天候に左右される工事ですから、雨の日は作業ができず、予定より延びることもあります。

葺き替えの工期

葺き替えの場合は、7日から14日程度かかります。
カバー工法の工程に加えて、既存屋根材の撤去と処分、下地の点検・補修といった作業が入ります。

特に下地に補修が必要な箇所が見つかった場合は、さらに日数が延びることもあります。
ハーモニーホームでは、工事前の診断段階で下地の状態も確認し、正確な工期をお伝えしています。

工事中の生活と近隣への配慮

どちらの工法でも、工事中は足場が組まれ、職人が屋根の上で作業をします。
金属音や足音が響くことがありますが、これは避けられません。

葺き替えの場合は、既存屋根材の撤去時に埃や騒音が発生しやすくなります。
洗濯物を外に干しにくい日が続きます。
カバー工法では撤去作業が少ないため、騒音や埃は比較的抑えられます。

近隣への配慮も大切ですから、ハーモニーホームでは工事前に必ずご近所へのご挨拶を行っています。

屋根は家全体を守る大切な部分です。
お客様のお住まいの状態や今後の計画に合わせて、最適な選択をしていただければと思います。

適切な判断には、専門家の意見を聞くことが最も確実です。
茅ヶ崎市での屋根リフォームは、ハーモニーホームにご相談ください。

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