軒天塗装で水性塗料をおすすめする理由とマルチエースⅡの選び方

軒天 マルチエースⅡ

軒天の塗装を検討する際、塗料選びで迷われることがあるかもしれません。
外壁や屋根とは異なる環境にある軒天には、軒天に適した塗料を選ぶことが大切です。

軒天は雨風に直接当たりにくい場所ですが、湿気がこもりやすく、カビが発生しやすいという特徴があります。
また、既存の塗膜の状態によっては、塗料の種類を慎重に選ばないと、塗装後に問題が起こる可能性もあります。

今回は、軒天塗装に使用される「マルチエースⅡ」について、水性と弱溶剤の違いや、実際の選び方のポイントをご紹介します。

マルチエースⅡとは

マルチエースⅡは、アステックペイントが販売している塗料で、主に軒天や内装、準外部の塗装に使用されています。
準外部というのは、開放廊下や内壁、天井など、完全な屋外ではないものの外気に触れる可能性がある場所を指します。

この塗料の特徴として、水性タイプの「マルチエースⅡ」と、弱溶剤タイプの「マルチエースⅡ-JY」の2種類が用意されている点が挙げられます。
どちらも艶消しタイプで、落ち着いた仕上がりになります。

マルチエースⅡ-JYはNAD(非水分散型)の塗料で、樹脂を水以外の溶媒に分散させた塗料です。
一般的な弱溶剤系塗料よりも弱い弱溶剤系塗料であるため、シンナー臭が少なく、旧塗膜のちぢれ(リフティング)が起こりにくいという特徴があります。
ただし、完全にリフティングが起こらないわけではないため、既存が水性塗膜の場合は基本的に水性塗料を選ぶことが推奨されます。

軒天は建物の屋根が外壁から突き出した部分の裏側、つまり見上げたときに見える天井部分のことです。
この部分は雨には直接当たりにくいものの、湿気の影響を受けやすく、カビが発生しやすい環境にあります。
そのため、軒天に使用する塗料には、防カビ性や湿気への耐性といった特性が求められます。

軒天塗装で水性をおすすめする理由

軒天の塗り替えを行う際、最も注意すべき点は既存の塗膜との相性です。
多くの住宅の軒天には、新築時に水性塗料が塗られています。
この既存の水性塗膜の上に弱溶剤系の塗料を塗ってしまうと、思わぬトラブルが発生する可能性があります。

リフティング(縮れ)のリスク

既存の軒天に水性塗料が塗られている場合、その上から弱溶剤系の塗料を塗ると、「リフティング」という現象が起こることがあります。
リフティングとは、上塗り塗料に含まれる溶剤が、既存の塗膜を侵食して、塗膜が縮れたり浮き上がったりする現象のことです。

特に軒天の場合、新築時に塗られた水性塗料が経年劣化で弱くなっていることが多く、その上から弱溶剤を塗ると、溶剤成分が既存塗膜に染み込んで軟化させてしまいます。
塗装直後から数日以内にシワのような縮れが発生し、塗膜が波打ったような状態になってしまうこともあります。

一度リフティングが発生すると、修復には既存塗膜を完全に除去する必要があり、大掛かりな作業となってしまいます。
そのため、軒天の塗り替えでは、基本的に水性塗料を選ぶことが推奨されます。

水性塗料を選ぶメリット

軒天塗装に水性塗料を選ぶメリットは、リフティングのリスク回避だけではありません。

まず、臭いが少なく、環境や人体への影響が比較的小さいという特徴があります。
軒天は内装に近い場所でもあるため、施工中の臭いが室内に入りやすい環境です。
住宅が密集している地域や、ご家族が在宅中の工事では、臭いの少ない水性塗料は大きなメリットとなります。

また、VOC(揮発性有機化合物)の含有量が少ないため、シックハウス対策としても有効です。
ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆(フォースター)を取得した水性塗料であれば、室内環境への配慮も十分になされています。

さらに、軒天は湿気の影響を受けやすい場所ですが、水性塗料には透湿性があり、背面からの水分の影響を受けにくいという特性もあります。
塗膜に透湿性があることで、膨れや剥離を抑制する効果が期待できます。

マルチエースⅡの特徴

マルチエースⅡは、アステックペイントが販売している軒天・内装用の塗料です。
水性タイプの「マルチエースⅡ」と、弱溶剤タイプの「マルチエースⅡ-JY」の2種類がありますが、軒天の塗り替えでは、前述のリフティングリスクを考慮して、水性タイプをおすすめします。

防カビ・防藻性

マルチエースⅡには防カビ・防藻の性能があり、塗膜表面でのカビや藻の発育を抑制する効果が期待できます。
軒天は湿気がこもりやすく、日光が当たりにくい場所も多いため、カビが発生しやすい環境にあります。

アステックペイントの防カビ塗料は500種類の菌に対応しているとされており、一般的な防カビ剤よりも幅広い菌種に効果が期待できるとされています。
茅ヶ崎市のような海に近い地域では、湿気の影響が大きいため、防カビ性能のある塗料を選ぶことは特に有効といえます。

シーラーレス施工が可能な場合も

マルチエースⅡの特徴として、条件が合えばシーラーを使わずに直接塗装できる可能性がある点が挙げられます。
これは、微粒子のアクリル樹脂が下地の深部まで浸透し、アンカー効果を発揮するためとされています。

ただし、すべてのケースでシーラーレス施工が可能というわけではありません。
既存塗膜の劣化が進んでいる場合や、表面が粉化(チョーキング)している場合、吸い込みが著しい場合は、シーラーを使用した方が確実です。

現場の状況を見て、適切に判断することが重要です。

透湿性と湿潤状態での付着性

軒天は雨漏りや結露で湿気がたまりやすい場所です。
マルチエースⅡの水性タイプは透湿性があり、背面からの水分の影響を緩和し、膨れや剥離を抑制する効果が期待できます。

また、湿潤状態でも良好な付着性を保つとされており、軒天のような湿気の影響を受けやすい場所でも使用できます。

低臭・低VOCで安全性が高い

マルチエースⅡの水性タイプは低VOC塗料で、揮発性有機化合物の排出が少ない塗料です。
ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆を取得しており、室内や準外部での使用においても、安全性への配慮がなされています。

内装に近い軒天の塗装では、臭気が少なく、安全性の高い塗料を選ぶことで、住まれる方への影響を小さくできる可能性があります。

専門家からのアドバイス
軒天塗装では、既存塗膜の状態確認が最も重要です。水性塗料が塗られている軒天には水性塗料を、というのが基本的な考え方です。業者に現地調査を依頼し、既存塗膜の状態を確認してもらった上で、適切な塗料を選定してもらいましょう。

使用に適した場所

マルチエースⅡが使用できる場所と、その理由について見ていきましょう。

軒天

マルチエースⅡの代表的な使用場所が軒天です。
軒天は雨には直接当たりにくいものの、湿気の影響を受けやすく、カビが発生しやすい環境にあります。
防カビ性があり、湿潤状態でも付着性を保つマルチエースⅡは、軒天塗装に適した選択肢の一つといえます。

また、軒天はケイカル板という材料が使われていることも多く、マルチエースⅡはケイカル板に対しても良好な付着性を示すとされています。

内装

内装にも使用できる塗料です。
低臭・低VOCという特性は、室内での作業において大きなメリットになります。
内装の塗り替えでは、居住しながらの工事も考えられますから、臭いが少なく、安全性の高い塗料を選ぶことは重要です。

準外部

開放廊下、内壁、天井など、完全な屋外ではないものの外気に触れる可能性がある準外部にも使用できます。
マンションの共用廊下や、駐車場の天井などがこれに該当します。

こうした場所は、外壁ほど厳しい環境ではないものの、通常の内装よりは耐候性が求められます。
マルチエースⅡは準外部という中間的な環境に対応した塗料といえます。

軒天塗装を依頼する際のポイント

軒天の塗装を業者に依頼する際、いくつか確認しておきたいポイントがあります。

既存塗膜の確認が最重要

軒天塗装で最も重要なのは、既存の塗膜の状態確認です。
多くの住宅では、新築時に水性塗料が使われていますが、これを確認せずに弱溶剤系の塗料を塗ってしまうと、リフティング(縮れ)が発生する可能性があります。

業者に現地調査を依頼する際は、以下の点を確認してもらいましょう。
・既存塗膜は水性か溶剤系か
・既存塗膜の劣化状態(剥がれ、粉化など)
・下地(ケイカル板など)の状態
・湿気の影響を受けた形跡の有無

これらの情報をもとに、適切な塗料タイプを選定してもらうことが大切です。
基本的には、既存が水性塗料であれば、新しく塗る塗料も水性を選ぶのが安全です。

透湿性のある塗料を選ぶ

軒天は背面から湿気の影響を受けやすい場所です。
塗膜に透湿性がないと、背面からの水分で塗膜が膨れたり剥がれたりする原因になります。

艶有り塗料や微弾性フィラーは透湿性がなく、膨れの原因になるため、軒天には適していません。
水性の艶消し塗料で、透湿性があるものを選ぶことが推奨されます。

色の選択

軒天の色は、一般的には白系が選ばれることが多いです。
これは、軒天を明るい色にすることで、周囲を明るく見せる効果があるためです。

マルチエースⅡには55色(水性)、60色(弱溶剤)のカラーラインアップがありますが、軒天の場合は白やオフホワイト系が基本となります。
外壁の色に合わせて、ベージュやグレー系を選ぶこともありますが、あまり暗い色にすると圧迫感が出る可能性があります。

全体を見た提案を受ける

軒天の塗装を考える場合、軒天だけでなく、外壁や屋根の状態も合わせて確認してもらうことをおすすめします。
外壁や屋根に劣化が見られる場合は、軒天だけを先に塗装しても、数年後にまた足場を組んで全体の塗装をすることになるかもしれません。

全体を一度に行った方が、足場代などのコストを抑えられる可能性もあります。
業者に相談する際は、建物全体の状態を見てもらい、最適なタイミングや範囲について提案を受けるとよいでしょう。

茅ヶ崎市での軒天塗装
茅ヶ崎市は海に近い地域のため、塩害と湿気の両方に配慮が必要です。軒天は直接波しぶきを受けることはありませんが、海風による塩分を含んだ湿気の影響は受けます。防カビ性があり、透湿性のある水性塗料を選ぶことで、こうした環境下でも長持ちする塗装が期待できます。

軒天の塗装では、塗料の種類選びが仕上がりの品質を左右します。
特に、既存の水性塗膜の上に弱溶剤系の塗料を塗ってしまうと、リフティング(縮れ)という深刻なトラブルが発生する可能性があるため、注意が必要です。

基本的には、軒天の塗り替えには水性塗料を選ぶのが安全です。
水性塗料は、リフティングのリスクがなく、臭いも少なく、透湿性もあるため、軒天という環境に適しています。

マルチエースⅡのような軒天専用の塗料は、防カビ性や低VOCといった、軒天に求められる性能を備えています。
ただし、塗料選びよりも重要なのは、現地の状況を正確に把握して、適切な判断をすることです。

業者に現地調査を依頼する際は、以下の点を確認してもらいましょう。
・既存塗膜の種類(水性か溶剤系か)
・既存塗膜の劣化状態
・下地の状態
・湿気の影響

これらを確認した上で、適切な塗料と施工方法を提案してもらうことが、長持ちする塗装につながります。

軒天塗装は、外壁や屋根に比べると目立ちにくい場所ですが、建物全体の美観や耐久性を保つためには重要な部分です。
専門家に相談しながら、適切な塗料選びと施工を行うことをおすすめします。

重要な注意点
既存の軒天塗装が水性塗料の場合、その上に弱溶剤系の塗料を塗ると、リフティング(縮れ)が発生する可能性があります。一度リフティングが起こると、既存塗膜を完全に除去する大掛かりな補修が必要になります。軒天の塗り替えでは、基本的に水性塗料を選ぶことをおすすめします。

塗装業者を選ぶ際は、こうしたリスクを理解して適切な提案ができる業者を選ぶことが大切です。
複数の業者に相談し、既存塗膜の確認方法や、選定する塗料の種類について、納得のいく説明を受けることをおすすめします。
茅ヶ崎での軒天塗装は、ハーモニーホームにお任せください。

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