茅ヶ崎市の海沿い住宅|外壁塗装で失敗しない塩害対策の本当の話

茅ヶ崎 サザンビーチ

茅ヶ崎で海沿いの住宅にお住まいの方から、よくこんな相談をいただきます。
「高い塗料を使えば、塩害も心配ないですよね?」
「フッ素や無機なら、次の塗り替えまで20年もつと聞いたんですが」

正直にお伝えすると、これらは少し誤解があります。
高級な塗料を選ぶこと自体は悪いことではありませんが、それだけでは海沿いの住宅を十分に守れないケースがあるんです。

今日は、カタログやウェブサイトではあまり語られない、外壁塗装の「本当のところ」についてお話しします。
茅ヶ崎で長年塗装に携わってきた経験から、海沿いの住宅で本当に必要な塩害対策について、率直にお伝えしていきます。

茅ヶ崎の海沿いで本当に起こっていること

茅ヶ崎は海が近く、潮風が心地よい街です。
しかし、住宅にとっては厳しい環境でもあります。

塩害のメカニズム

海から飛んでくる塩分は、目に見えないほど細かい粒子です。
潮風に乗って運ばれ、外壁に付着します。
この塩分が、じわじわと建物を傷めていくのが塩害です。

特に茅ヶ崎では、海岸から2キロ程度までのエリアで日常的に影響を受けやすくなっています。
台風や強風の日には、さらに内陸まで塩分が飛散することもあります。

現場で見る劣化の実態

実際の現場を見ていると、塗装だけの問題ではないことがよく分かります。

外壁の塗装は確かに劣化します。
色褪せやチョーキング現象(外壁を触ると白い粉がつく)は、塗膜が傷んでいるサインです。

しかし、それと同時進行で他の部分も傷んでいます。
サイディングボードの継ぎ目を埋めているコーキングは、ひび割れたり痩せてきたりします。
金属部分は錆が出始めます。
そして、サイディングボード自体も、表面の塗膜の下で少しずつ劣化が進んでいるんです。

【現場からの声】
茅ヶ崎で外壁塗装の点検に伺うと、「まだ10年経っていないのに」という声をよく聞きます。内陸部なら問題ない期間でも、海沿いでは早めに症状が出てくることがあります。これは塗料の品質の問題ではなく、環境の厳しさによるものです。

高級塗料を選べば安心という誤解

「高い塗料なら長持ちする」
これは一面では正しいのですが、海沿いの住宅では別の視点も必要です。

塗装で守れる範囲には限界がある

塗装は、確かに外壁の表面を保護してくれます。
紫外線や雨水から守り、塩分の付着も防いでくれます。

ただし、塗装が守れるのは「塗装した部分の表面」だけです。
建物全体を見たとき、塗装だけではカバーしきれない部分が必ずあります。

例えば、20年持つという無機塗料で外壁を塗ったとします。
確かに外壁の塗膜は長持ちするかもしれません。
ただし、金属部分は、塗装の下で徐々に錆びていく可能性があります。

建物のメンテナンスサイクルは、一番劣化が早い部分に合わせて考える必要があります。

外壁の塗装が20年持っても、シーリングが10年で劣化すれば、10年後にはメンテナンスが必要になります。
そのタイミングで足場を組むなら、外壁も一緒に塗り直すことが多くなるでしょう。

つまり、外壁だけに高価な塗料を使っても、シーリングやその他の部分の劣化サイクルに引きずられて、結局10年前後でメンテナンスすることになるケースが少なくないんです。

これは、シーリングの材料グレードを上げても同じことが言えます。
30年級の高耐久シーリングを使っても、前述のように最も劣化が早い箇所に合わせる必要があるため、実際のメンテナンスサイクルは大きく変わらないことが多いのです。

コストバランスの考え方

ここで大切なのが、トータルで考えるという視点です。

外壁に高価な塗料を使って初期費用が高くなり、でも10年後にシーリングのメンテナンスで足場を組むことになる。
それなら、外壁は適切なグレードの塗料にして、浮いた費用を定期的なメンテナンス資金に回す方が、長い目で見て建物を良い状態に保てることもあります。

【重要な考え方】
「一番高い塗料」ではなく「バランスの取れた塗料選び」が大切です。外壁、屋根、コーキング、それぞれの劣化サイクルを考えて、全体のメンテナンス計画を立てることをおすすめします。

塗装では保護できない箇所がある

外壁塗装と聞くと、建物全体を守れるように感じるかもしれません。
しかし実際には、塗装だけではカバーしきれない部分がいくつもあります。

シーリングの問題

サイディングボードの継ぎ目を埋めているシーリングは、外壁塗装では根本的に守れません。

シーリングの上から塗装することは可能です。
実際、そうすることで紫外線からシーリングを保護できます。
しかし、シーリング自体は柔らかいゴム状の素材で、建物の動きに合わせて伸び縮みします。

その上に硬い塗膜を載せると、シーリングの動きに塗膜が追従できず、ひび割れてしまうことがあります。
また、シーリング材に含まれる可塑剤という成分が塗膜に染み出して、汚れが付きやすくなることもあります。

シーリングの耐用年数は、材料のグレードによって大きく異なります。
一般的なウレタン系シーリングは5年から10年程度、高耐久の変成シリコン系やポリサルファイド系は15年から20年程度です。
近年では、期待耐用年数30年を謳う高性能シーリング材も登場しています。

しかし、どんなに高性能なシーリング材を使っても、場所によって劣化のスピードは大きく変わります。

シーリングが早く劣化する箇所

30年級の高耐久シーリング材を使っても、以下のような箇所では劣化が早まります。

紫外線の影響が大きい箇所
南面や西面は、一日中強い紫外線を浴び続けます。
軒下がない壁面も、直射日光と雨風を直接受けるため、劣化が早くなります。
こうした箇所では、30年級シーリングでも20年から25年程度、海沿いではさらに短く15年から20年程度になることがあります。

建物の動きが大きい箇所
建物の角部分や、大きな窓の周辺は、温度変化や地震による揺れの影響を強く受けます。
バルコニーの手すり周辺も、温度差による伸縮が大きく、シーリングへの負担が増します。

海沿い特有の影響
茅ヶ崎のような海沿いでは、塩分がシーリングの劣化を促進します。
特に海から2キロ以内のエリアでは、内陸部に比べて2割から3割早く劣化が進むことがあります。

雨水の影響を受けやすい箇所
窓サッシの下部や、雨樋の近くなど、雨水が集中する場所も劣化が早まります。
水の影響を長時間受け続けることで、シーリング材の柔軟性が失われやすくなります。

つまり、建物全体で見ると、最も条件の悪い箇所(南面・海沿い・軒下なし)では、30年級シーリングでも10年から15年程度で劣化の兆候が現れる可能性があるのです。

外壁全体のシーリングは、この「最も劣化が早い箇所」に合わせてメンテナンスする必要があります。
一部だけが劣化しても、そこから雨水が浸入すれば建物全体に影響が出るからです。

そのため、高価な30年級シーリングを使っても、実際のメンテナンスサイクルは10年から15年程度になることが多いのです。

建材そのものの劣化

塗装は、サイディングボードやモルタルの表面を保護するものです。
建材そのものを新品に戻すわけではありません。

サイディングボードの場合、塗装で表面を守っていても、ボード自体は徐々に劣化していきます。
特に、防水性が低下したボードは、水分を吸収して膨張・収縮を繰り返し、反りやひび割れが生じることがあります。

塗装が良い状態でも、基材が傷んでしまえば、張り替えやカバー工事が必要になります。
これは、塗料のグレードとは別の問題です。

金属部分の保護の難しさ

外壁には、ビスや釘、水切り、雨樋の金具など、様々な金属部分があります。

これらは塗装できる部分もありますが、完全に塩害から守ることは困難です。
ビスや釘の頭は小さく、塗装が剥がれやすい部分でもあります。
水切りなどの細かい部分も、塗装の施工が難しく、すぐに錆が出てくることがあります。

海沿いでは、こうした金属部分の劣化も想定しておく必要があります。

特殊なサイディングの存在

最近の住宅では少なくなってきましたが、光触媒や無機系のコーティングが施された「難付着サイディング」と呼ばれる外壁材があります。

これらは汚れが付きにくく、綺麗が長持ちするという特徴がありますが、その反面、塗料も付着しにくいという難点があります。
専用の下塗り材を使えば塗装は可能ですが、通常のサイディングよりも慎重な施工が必要です。

【知っておきたいポイント】
外壁塗装は重要なメンテナンスですが、万能ではありません。コーキング、建材、金属部分など、それぞれに適したメンテナンスが必要です。塗装だけに頼らず、定期的な点検と早めの対応が、海沿いの住宅を長持ちさせるコツです。

バランスの取れた塗料選びとは

では、茅ヶ崎の海沿い住宅では、どのように塗料を選べば良いのでしょうか。

シリコン塗料という現実的な選択

私たちが一押ししているのは、シリコン塗料です。

シリコン塗料は、性能と価格のバランスが非常に良い塗料です。
耐用年数は10年から15年程度で、フッ素や無機には及びませんが、海沿いでも十分な性能を発揮します。

そして、価格が比較的手頃なため、10年前後でのメンテナンスサイクルに合わせやすいという利点があります。
コーキングの打ち替えと同時に外壁も塗り直すことを考えると、シリコン塗料の耐用年数はちょうど良いタイミングになることが多いんです。

メンテナンスサイクルを揃える

建物のメンテナンスは、各部分の劣化サイクルを揃えることが理想的です。

外壁、屋根、コーキング、これらのメンテナンス時期がバラバラだと、何度も足場を組むことになり、コストがかさみます。
逆に、同じタイミングでまとめてメンテナンスできれば、足場代は一回で済みますし、効率的です。

シリコン塗料の10年から15年という耐用年数は、コーキングの打ち替え時期や、建物全体の点検サイクルと合わせやすい期間です。

定期的なメンテナンスの重要性

海沿いの住宅では、高級な塗料を使って長期間放置するよりも、適切なグレードの塗料で定期的にメンテナンスする方が、結果的に建物を良い状態に保てることがあります。

10年ごとに点検して、塗装やコーキングの状態を確認する。
必要な部分だけ手を入れる。
この繰り返しが、海沿いの住宅を長持ちさせる秘訣です。

アステックペイントが海沿いに選ばれる理由

アステックペイント シリコンREVO1000-IR

私たちがメインで使用しているのは、アステックペイントの塗料です。
海沿いの住宅に適している理由をご紹介します。

アステックペイントの特徴

私たちが主に使用しているのは、アステックペイントのREVOシリーズです。

外壁用には「シリコンREVO1000(-IR)」と「フッ素REVO1000(-IR)」を使用しています。

シリコンREVO1000は、一般的な一液水性シリコン塗料と比較してシリコン成分を約3倍配合しており、紫外線により破壊されにくく、高い耐候性を発揮します。
期待耐用年数は13年から16年で、海沿いでも十分な性能が期待できます。

フッ素REVO1000は、一液水性フッ素塗料と比較してフッ素成分を約2倍配合し、さらに劣化しやすい箇所が少ない「完全交互結合型フッ素樹脂」を採用しています。
期待耐用年数は16年から20年と長く、より長期的な保護を求める方に適しています。

両シリーズとも「ラジカル制御型白色顔料」を採用しており、塗膜劣化の原因となるラジカルの発生を抑制します。
また、塗膜表面が強靭なため、砂埃が突き刺さりにくく、排気ガスなどが染み込みにくいという特徴があります。

IRタイプ(遮熱タイプ)を選べば、チタン複合遮熱無機顔料により、近赤外線を効果的に反射し、室内の温度上昇を抑える効果も期待できます。

実用的な耐用年数

シリコンREVO1000は期待耐用年数13年から16年、フッ素REVO1000は16年から20年とされています。
海沿いでは多少短くなることもありますが、シリコンREVOでも10年から13年程度、フッ素REVOでは13年から16年程度の性能が期待できます。

特にシリコンREVO1000は、コーキングの打ち替えサイクルとも合わせやすく、バランスの取れたメンテナンス計画が立てやすい期間です。

屋根用には「スーパーシャネツサーモシリーズ」を使用しています。

スーパーシャネツサーモSi(シリコンタイプ)は期待耐用年数13年から16年、スーパーシャネツサーモF(フッ素タイプ)は16年から20年です。

この塗料の最大の特徴は、チタン複合特殊無機顔料を使用していることです。
この顔料は近赤外線を効果的に反射するため、屋根の表面温度上昇を大幅に抑えます。
例えば、黒色の場合、一般的なカーボンブラックの平均日射反射率が6%なのに対し、スーパーシャネツサーモは46%も反射します。

また、紫外線の影響を受けにくいため、屋根の色褪せや変色が起こりにくく、塗り替え後の美しい色彩を長期間維持できます。

屋根は外壁以上に過酷な環境にさらされているため、遮熱性と耐候性に優れたスーパーシャネツサーモシリーズが、茅ヶ崎のような海沿いの住宅に適しています。

メンテナンスのしやすさ

REVOシリーズは、塗膜表面が強靭で汚れが付きにくいため、日常的な水洗いだけでも美観を保ちやすいという特徴があります。
海沿いでは、台風や強風の後に外壁を水で洗い流すことが塩害対策として有効ですが、REVOシリーズなら、この水洗いの効果がより高まります。

また、スーパーシャネツサーモシリーズも、無機顔料の特性により汚れが付きにくく、屋根の美観を長期間保つことができます。

【茅ヶ崎での実績】
茅ヶ崎では、海岸に近いエリアでもアステックペイントのREVOシリーズやスーパーシャネツサーモを使った施工実績が多くあります。塩害に強く、定期的な水洗いと組み合わせることで、美しい外観を長く保っている住宅が増えています。

日常的なケアとの組み合わせ

どんなに良い塗料を使っても、海沿いでは日常的なケアが大切です。

台風や強風の後は、できるだけ早めに外壁を水で洗い流す。
年に1回から2回程度、外壁の状態をチェックする。
こうした小さな積み重ねが、塗装を長持ちさせます。

アステックペイントのREVOシリーズやスーパーシャネツサーモシリーズは、こうした日常的なケアの効果を高めてくれる塗料です。
汚れが落ちやすく、塩分も洗い流しやすいため、手入れがしやすいんです。

茅ヶ崎の海沿いで外壁塗装を考えるとき、「一番高い塗料」ではなく「バランスの取れた選択」が大切です。

塗装だけでは守れない部分があること。
建物全体のメンテナンスサイクルを考える必要があること。
定期的な点検とケアが、何より重要であること。

こうした現実を踏まえた上で、シリコングレードの塗料を選び、10年前後での定期的なメンテナンスを計画する。
これが、茅ヶ崎の海沿いで住宅を長く守る、現実的なアプローチだと私たちは考えています。

大切なのは、カタログの数字ではなく、実際の住環境に合わせた選択です。
そして、塗装業者を選ぶ際には、こうした現実的な話をしてくれる業者かどうかも、一つの判断基準になるでしょう。

海沿いの住宅を長く守るために必要なのは、現実を見据えた計画と、適切なメンテナンスの継続です。
茅ヶ崎での外壁塗装は、ハーモニーホームにご相談ください。

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