シャッター取り付け工事の工法|窓枠や既存設備で変わる施工パターン

シャッター 窓

「シャッターを付けたいんだけど、うちの窓に取り付けられるのかな」そう思って調べてみると、工事方法がいろいろあって混乱してしまうことがあります。
実は、シャッターの取り付け工事は、既存の窓枠の状態や雨戸の有無によって施工方法が大きく変わってきます。

同じシャッター取り付けでも、何もない窓への新設なのか、既存の雨戸を撤去しての交換なのかで、工事の内容も費用も変わってくるものです。
また、1階の窓と2階の窓では足場の必要性が変わりますし、手動か電動かでも工事の範囲が違ってきます。

この記事では、茅ヶ崎市での施工経験をもとに、窓の状態別の具体的な工事パターンをご紹介します。
ご自宅の状況に応じて、どのような工事になりそうかイメージしていただければと思います。

シャッター取り付けの基本パターン

シャッターの取り付け工事は、大きく分けると「どこに何を取り付けるか」で工法が決まってきます。

一般的な住宅のシャッター取り付けには、主に3つのパターンがあります。
まず、何もない窓に新しくシャッターを取り付ける新設工事、次に既存の雨戸を撤去してシャッターに交換する工事、そして既存のシャッターを新しいものに交換する工事です。

それぞれの工事で、外壁への固定方法や必要な部材が変わってきます。
また、窓の位置や周辺環境によっても、適した施工方法が異なることがあるんです。

外壁直付けが基本

住宅用のシャッターは、ほとんどの場合、外壁に直接固定する方法で取り付けられます。

窓の上部にシャッターケース(巻き取り部分)を設置し、左右にガイドレールを取り付けます。
これらの部材は、外壁の下地材にビスでしっかり固定していく形になります。

外壁に穴を開けて固定するため、防水処理が欠かせません。
ビス穴周辺へのコーキング処理は、雨漏りを防ぐ上で非常に重要な工程となります。

専門家からのアドバイス
シャッター取り付けでは、コーキング処理の丁寧さが後々の耐久性を左右します。施工時にこの工程を省略する業者もいるようですが、将来の雨漏りリスクを考えると、必ず行うべき作業です。

窓の状態で変わる下準備

何もない窓への新設なのか、既存の雨戸がある窓なのかで、工事の流れが変わってきます。

雨戸がある場合は、まず雨戸本体とレールを撤去する作業が必要です。
雨戸の戸袋(収納部分)も撤去するかどうかは、見た目とコストのバランスで判断することになります。

戸袋を残したまま取り付けることも可能ですが、外観を気にされる場合は撤去した方がすっきり仕上がります。
ただし、戸袋撤去後の外壁補修が必要になる点は、事前に理解しておきたいところです。

新設工事|何もない窓への取り付け

雨戸もシャッターも付いていない窓への取り付けは、比較的シンプルな工事になります。

施工の基本的な流れ

新設工事では、外壁の状態を確認するところから始まります。

窓周りの外壁に十分なスペースがあるか、シャッターケースを設置できる高さが確保できるか、といった点をチェックします。
また、外壁材の種類によっては、下地補強材が必要になることもあります。

問題がなければ、シャッターケースの取り付け位置を決めて墨出しを行います。
水平器を使って正確に位置を決めることが、後の動作をスムーズにする上で大切な作業です。

ケースとガイドレールを外壁に固定したら、シャッター本体(スラット)を組み込んでいきます。
最後に動作確認を行い、問題なく開閉できれば完了です。

施工時間の目安

新設工事の場合、1箇所あたり2~4時間程度で完了することが多いです。

ただし、これは1階の標準的なサイズの窓で、特に問題がない場合の目安になります。
窓が大きかったり、外壁の状態によって追加の下地処理が必要だったりすると、もう少し時間がかかることもあります。

費用の内訳

新設工事の費用は、シャッター本体代と施工費の合計で考えます。

手動シャッターの場合、標準的なサイズで10万円~15万円程度が一般的な相場です。
電動シャッターの場合は、本体価格が高くなることと電気工事が加わることで、18万円~25万円程度になります。

標準的に使用するのは、LIXILのリフォームシャッター(標準タイプ)です。
スラットとボックス部分は鋼板製となっていますが、表面処理が施されているため一般的な環境での使用には問題ありません。
ただし、茅ヶ崎のような海沿いの地域で塩害が特に気になる場合は、オールアルミ製の採風タイプや耐風タイプも選択肢となります。

雨戸交換工事|既存雨戸からの変更

既存の雨戸をシャッターに交換する工事は、撤去作業が加わる分、新設よりも工程が増えます。

雨戸撤去の作業内容

雨戸の撤去は、まず雨戸本体とレールを取り外すところから始まります。

引き戸タイプの雨戸の場合、戸袋(雨戸の収納部分)も一緒に撤去するかどうかを決める必要があります。
戸袋を撤去すると外観がすっきりしますが、撤去後の外壁補修が必要になってきます。

戸袋撤去の判断基準

戸袋を撤去するかどうかは、見た目とコストのバランスで考えることになります。

戸袋を撤去すると外観がすっきりしますが、撤去費用と外壁補修費用で2~5万円程度の追加費用がかかります。
また、戸袋があった部分の外壁が、周囲と色や質感が異なって見える可能性もあります。

一方、費用を抑えたい場合は、戸袋を残したままシャッターを取り付けることも技術的には可能です。
この場合、戸袋の外側にシャッターケースを設置する形になり、撤去費用を抑えられます。

しかし、この方法は推奨していません。
戸袋の位置によってはシャッターの中心が窓の中心からずれてしまい、開閉時に引っかかりやすくなる可能性があります。
また、製品や納まり条件によっては、戸袋を残したままでは取り付けできないシャッターもあります。
外観にも違和感が残りやすいため、見た目と機能性を重視される場合は戸袋の撤去をお勧めします。

交換工事の費用

雨戸からシャッターへの交換工事では、新設工事の費用に撤去費用が加わります。

雨戸の撤去費用は1枚あたり3千円~5千円程度が相場です。
戸袋も撤去する場合は、さらに2~3万円程度が追加されることが多いようです。

トータルでは、手動シャッターで13万円~20万円程度、電動シャッターで20万円~30万円程度が目安になります。

2階以上の窓への取り付け

2階以上の窓にシャッターを取り付ける場合、足場の設置が必要になることがあります。

足場の必要性

2階の窓への取り付けでも、ベランダがあって作業スペースが十分に確保できる場合は、足場なしで施工できることがあります。

しかし、ベランダがない窓や、ベランダがあっても作業スペースが狭い場合は、安全な施工のために足場を組む必要が出てきます。
足場の設置費用は、設置場所の条件や足場の規模によって変動するため、現地調査の際に確認が必要です。

複数の窓にまとめて取り付ける場合は、1度の足場設置で済むため、窓1箇所あたりの足場費用負担は少なくなります。
外壁塗装など、他の外装工事と同時に行うのも、費用を抑える一つの方法といえます。

高所作業の注意点

2階以上の窓への取り付けでは、施工の精度がより重要になってきます。

高所での作業となるため、取り付け後の微調整が難しくなります。
最初の取り付け位置の決定や、水平の確保など、慎重な作業が求められます。

また、シャッター本体や工具の落下防止など、安全対策も1階の工事以上に重要です。

電動シャッターの追加工事

電動シャッターを選ぶ場合、シャッター本体の取り付けに加えて電気工事が必要になります。

電源確保の方法

電動シャッターの電源確保には、大きく分けて2つの方法があります。

一つは、外壁に電源配線を這わせて室内のコンセントから電源を取る方法です。
この場合、有資格者による電気工事が必要になります。

もう一つは、ACアダプタ仕様の製品を使う方法です。
LIXILのリフォームシャッターACアダプタ仕様は、室内側に配線を通してACアダプタを室内コンセントに差し込むだけで使えるため、有資格者による電気工事が不要になります。
施工がスピーディに完了し、従来の電動シャッターと機能は変わりません。

手動から電動への変更

既存の手動シャッターを電動化することも可能です。

シャッターケース内の巻き取りシャフト部分にモーターユニットを取り付ける工事になります。
シャッター本体(スラット)やガイドレールはそのまま使えることが多いため、全交換よりも費用を抑えられます。

電動化の費用は、モーター本体と電気工事で15万円~20万円程度が目安です。
ただし、シャッターの状態や電源の確保方法によって費用は変動します。

電動化できないシャッターもあるため、まずは現地調査で判断する必要があります。

重要なポイント
電動シャッターには停電時の手動操作機能が付いています。通常はモーターで動作しますが、停電時には手動モードに切り替えることで開閉できる仕組みになっています。災害時の避難経路を確保する意味でも、この機能の使い方を確認しておくことが大切です。

取り付けできないケース

残念ながら、すべての窓にシャッターを取り付けられるわけではありません。

構造上の制限

出窓のように壁から突き出した窓には、標準的なシャッターの取り付けが難しいことがあります。

また、外開きの窓も、窓を開けたときにシャッターと干渉してしまうため、通常の方法では取り付けられません。
こうした特殊な窓には、専用の製品を検討する必要が出てきます。

スペースの問題

窓の上部にシャッターケースを設置するスペースがない場合も、取り付けが難しくなります。

窓のすぐ上に軒があったり、換気口やエアコンのダクトがあったりすると、シャッターケースが設置できないことがあります。
また、窓の左右にガイドレールを設置するスペースも必要です。

外壁の種類によっては、下地補強材が必要になることもあります。
特に金属サイディングなど、取り付け面が安定しない外壁材の場合は、追加の下地材料が必要になることが多いです。

建物構造の制約

シャッターを取り付けられるのは、基本的に木造か鉄筋コンクリート造の建物です。

軽量鉄骨造の場合も取り付けは可能ですが、下地補強が必要になることがあります。
ハウスメーカーの建物では、構造によって施工方法が変わるため、専門知識を持った業者による現地調査が重要です。

また、外壁材の劣化が進んでいる場合は、先に外壁の補修が必要になることもあります。
金属サイディングなど取り付け面が安定しない外壁材では、下地補強材の追加が必要です。

費用を左右する要素

シャッター取り付けの費用は、いくつかの要素によって変動します。

シャッターの種類と機能

手動か電動か、クローズタイプかスリットタイプかで、本体価格が大きく変わります。

標準的なクローズタイプの手動シャッターが最も価格を抑えられます。
採光や通風ができるスリットタイプ、ブラインドタイプは機能が増える分、価格も上がります。

電動シャッターは手動より5万円~10万円程度高くなりますが、毎日の使いやすさは格段に向上します。

窓のサイズと取り付け位置

窓が大きくなるほど、シャッター本体の価格も施工費も上がります。

また、2階以上の窓で足場が必要になる場合は、足場費用が大きく影響してきます。
複数箇所を同時に施工することで、1箇所あたりの費用を抑えられることもあります。

既存設備の状況

何もない窓への新設が最もシンプルです。

雨戸がある場合の撤去費用、戸袋の処理、外壁の補修など、既存設備の状況によって追加費用が発生します。
見積もりの段階で、こうした追加費用の有無を確認しておくことが大切です。

業者選びで確認すべきこと

シャッター取り付けは、施工の質が長期的な満足度を左右します。

防水処理の徹底

外壁に穴を開けて固定する工事だからこそ、防水処理は欠かせません。

ビス穴周辺へのコーキング処理を丁寧に行っているか、これは業者の信頼性を測る一つの指標になります。
見積もり時に、防水処理の内容について確認しておくと安心です。

現地調査の丁寧さ

正確な見積もりには、きちんとした現地調査が必要です。

窓の寸法、外壁の状態、周辺の障害物など、細かく確認する業者は信頼できる傾向があります。
写真撮影や採寸を丁寧に行っているかどうかも、一つのチェックポイントです。

施工後のフォロー

取り付け後の動作確認や、使い方の説明も大切なサービスです。

特に電動シャッターの場合、リモコンの使い方や停電時の手動操作方法など、説明を受けておくと安心です。
また、保証内容や定期点検の有無なども、事前に確認しておきたいポイントになります。

シャッターの取り付け工事は、窓の状態や建物の構造によって適した工法が変わってきます。
新設なのか交換なのか、1階なのか2階なのか、手動なのか電動なのか、それぞれの条件で工事内容と費用が変わります。

大切なのは、ご自宅の状況をしっかり把握した上で、適切な施工方法を提案してくれる業者を選ぶことです。
防水処理を含めた丁寧な施工が、長く安心して使えるシャッターにつながっていきます。

実際の工事方法や費用については、現地の状況によって変わってくることも多いものです。
茅ヶ崎でのシャッター取り付けをご検討の際は、ハーモニーホームにご相談ください。

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