1. 外壁用の塗料と何が違うの?
2. 木部が傷みやすい理由と塗替えのサイン
3. ウッドシールドPROシリーズの3タイプ
4. シリーズ共通の機能と特徴
5. 状況に合わせた選び方の考え方
6. 本文に出てきた用語の解説
7. まとめ
ウッドデッキや木製フェンス、板張りの外壁の色あせや黒ずみに気づいて、そろそろメンテナンスかな、と感じている方もいらっしゃると思います。
木部は外壁や屋根と同じように紫外線や雨風の影響を受けやすく、放っておくと腐食やシロアリ被害につながることもあります。
今回は木部専用の保護塗料「ウッドシールドPROシリーズ」について、3つのタイプの特徴と選び方の考え方をご紹介します。
茅ヶ崎のように潮風の影響を受けやすい地域では、木部のメンテナンスを気にされる方も多い印象です。
外壁用の塗料と何が違うの?
「木部にも外壁用の塗料を使えばいいのでは」と思う方もいるかもしれません。
外壁用の塗料は、主にサイディングやモルタルなど、木材とは性質の異なる無機質の外壁材に合わせて作られています。
窓枠や破風、軒天のような木部にも、色や耐久性を重視した付帯部用の塗料が使われることはよくあります。
それ自体は特に問題のある方法ではありません。
一方で木材には、シロアリなどの虫や腐朽菌に弱いという、外壁材にはない性質があります。
ウッドシールドPROのような木部専用の塗料は、こうした虫や菌への防虫・防腐・防カビの機能を持っている点が大きな違いです。
浸透タイプなら木目や質感をそのまま活かした仕上がりにもできます。
木の風合いを見せたい部分には、この木部専用タイプが選ばれやすい印象です。
色でしっかりカバーしたい場合や、他の付帯部と塗料をまとめたい場合は付帯部用の塗料で十分なこともあります。
木の質感を活かしながら防虫・防腐まで考えたい場合は、木部専用の塗料が候補になってきます。
木部が傷みやすい理由と塗替えのサイン
木材は紫外線や雨水の影響を受け続けることで、少しずつ劣化が進んでいきます。
一般的に木部塗装の塗り替え目安は約3〜5年程度と言われています。
ただ、設置場所や日当たり、風雨の当たり方によって差が出ることもよくあります。
色あせや塗膜の剥がれ、表面のささくれ、カビや藻の発生などが見られたら、一度状態を確認してもらうタイミングかもしれません。
相模湾に近いエリアでは、潮風による塩分の影響で木部の劣化が早まることがあります。
ウッドデッキや木製フェンスなど、海側に面した木部は特に状態をこまめに見ておくと安心です。
ウッドシールドPROシリーズの3タイプ
ウッドシールドPROシリーズは、アステックペイントが2025年5月に発売した木部専用の保護塗料です(木材保護塗料は「WPステイン」と呼ばれることもあります)。
仕上がりの質感や耐用年数の考え方が異なる3タイプがあり、木部の状態や希望する仕上がりに応じて選べます。
なお、以下でご紹介する期待耐用年数は、いずれも試験環境下での実測値であり、実際の耐候性を保証するものではありません。
「半造膜」と「浸透」という言葉に馴染みがない方も多いと思います。
半造膜タイプは木材の表面に薄い膜を作り、着色力・隠ぺい力を発揮するタイプです。
浸透タイプは木材の内部に染み込んで、木目を活かしながら保護するタイプです。
このほかに木材の表面にしっかり膜を作る「造膜タイプ」という分類もありますが、ウッドシールドPROシリーズには該当製品はありません。
すでに塗装されている木部の塗り替えか、無塗装の新築木部かによっても、向いているタイプは変わってきます。
アクアカラー(水性・半造膜)

ウッドシールドPROアクアカラーは、水性の半造膜タイプです。
期待耐用年数は6〜9年、色は20色展開です。
着色力・隠ぺい力に優れているので、既存の木部の色ムラや劣化が気になる塗り替え・リフォームでよく候補にあがるタイプです。
塗り重ねの目安は3時間以上〜3日以内(23℃)で、それ以上経過した場合は目粗しが必要です。
劣化が目立つ場合や、より耐候性を求める場合は、専用の下塗材「ウッドシールドNANOシーラー」を併用する方法もあります。
アクア浸透(水性・浸透)

ウッドシールドPROアクア浸透は、水性の浸透タイプです。
期待耐用年数は5〜7年、色はウォームカラー12色・クールカラー4色の計16色です。
木材内部に浸透して仕上がるので、木目の風合いを残したい新築・無塗装木材の塗装によく使われます。
標準の塗り回数は2回で、工程間は3時間以上空けるのが目安です。
JY(弱溶剤・浸透)

ウッドシールドPRO-JYは、弱溶剤系の浸透タイプです。
初回の期待耐用年数は2〜3年、2回目以降は5年、色は18色展開です。
浸透力が高いので、広い面積の施工や塗り継ぎが気になる現場で選ばれることがあります。
工程間は8時間以上空けるのが目安です。
弱溶剤系のため、保管・取り扱いは火気や換気に注意が必要です。
シリーズ共通の機能と特徴
3タイプに共通して、木部を長期的に保護するための機能がいくつか備わっています。
・防虫・防蟻性:ヒラタキクイムシやイエシロアリへの効果が試験で確認されています
・防腐性:オオウズラタケ・カワラタケという菌への防腐効果が試験で確認されています
・防カビ性:木材保護塗料の日本建築学会材料規格「JASS 18 M-307」に適合しています
・撥水性:雨水が木材に染み込むのを抑える働きが期待できます
・仕上がりの良さ:ローラー塗装でも泡かみが少なく、ムラの少ないきれいな仕上がりが期待できます
高耐候性を支える3つの成分
ウッドシールドPROシリーズには、耐候性を高めるための工夫がいくつか採用されています。
紫外線吸収剤は、劣化の原因になる紫外線を吸収する成分です。
吸収した紫外線を熱に変換して放射することで、塗膜の劣化を抑えます。
無機顔料は、紫外線の影響を受けやすい有機顔料に比べて色あせしにくいと言われる顔料です。
アクアカラーとアクア浸透には、植物繊維由来のセルロースナノファイバーも配合されています。
木材表面を固める働きが期待できる成分です。
状況に合わせた選び方の考え方
どのタイプが合うかは、木部の状態や希望する仕上がりによって変わってきます。
ここでは考え方の一例をご紹介しますが、実際の判断は専門家に木部の状態を見てもらいながら決めることをおすすめします。
木部の状態から考える
すでに塗装されている木部を塗り替える場合は、着色力・隠ぺい力に優れるアクアカラーがよく候補にあがります。
新築や無塗装の木部で木目を活かしたい場合は、浸透タイプのアクア浸透やJYが検討されることが多い印象です。
仕上がりの希望から考える
木目を残したナチュラルな質感がお好みなら浸透タイプ、色ムラをしっかりカバーしたいなら半造膜タイプのアクアカラー、というのがひとつの目安です。
色数もタイプによって違うので、希望の色があるかどうかも合わせて確認しておくとよさそうです。
実際にはどんな部位に使われるの?
破風板や鼻隠し、軒天は、木材が使われている場合でも、実務では通常の付帯部用塗料で塗られることがほとんどです。
色をしっかりカバーできる仕上がりが求められやすいためです。
無塗装のままの木部であれば選択肢に入ることもありますが、そのようなケースは多くありません。
ウッドシールドPROのような木目を活かすタイプが主に使われるのは、木目や質感をそのまま見せたい部分です。
ウッドデッキや木製フェンス、濡れ縁・テラス、門扉、板張りの外壁、ログハウス風の外観などが代表的な例です。
こうした部位は雨や紫外線を直接受けやすい場所でもあります。
広い面積を塗り継ぐ場合は、浸透力の高いJYが候補にあがることもあります。
ご自宅のどの部分にこのタイプが向いているか迷ったときは、専門家に見てもらうのが早いと思います。
ウリン・チーク・イペなどの南洋材系堅木は、高密度で塗料が浸透しにくいため使用できません。
木材含水率が20%を超える場合や、気温5℃以下・湿度85%以上の環境では施工が難しくなります。
木材の種類や劣化状況によって仕上がりの色味が変わるため、事前にテスト塗りをしておくと安心です。
本文に出てきた用語の解説
塗料が木材の内部に染み込んで保護する仕組みのこと。表面に膜を作らないため、木目をそのまま活かした仕上がりになります。
■ 半造膜タイプ
木材の表面にうすい膜を作って保護する仕組みのこと。木目を活かしながら、色ムラもカバーしやすいのが特徴です。
■ 造膜タイプ
木材の表面にしっかりとした膜を作るタイプのこと。木目は隠れますが、隠ぺい力に優れています。ウッドシールドPROシリーズには該当する製品はありません。
■ WPステイン
木材保護塗料の別名。英語の「Wood Preservatives Stain」の略です。
■ 弱溶剤系
シンナーなどの有機溶剤をベースにした塗料のこと。水性塗料に比べて保管・取り扱いに火気や換気の注意が必要です。
■ 無機顔料
鉱物などを原料にした顔料のこと。植物由来などの有機顔料に比べて、紫外線による色あせが起きにくいとされています。
■ セルロースナノファイバー
植物繊維からできたナノサイズの素材のこと。木材の表面を固める働きがあります。
■ 目粗し(めあらし)
塗り重ねの際に、表面を軽くこすって次の塗料が密着しやすいように整える下地処理のこと。
■ 南洋材系堅木
ウリンやチーク、イペなど、東南アジアなど熱帯地域が原産の非常に硬い木材のこと。密度が高いため、塗料が浸透しにくい性質があります。
まとめ
ウッドシールドPROシリーズは、木部の状態や希望する仕上がりに応じて選べる3つのタイプがそろった保護塗料です。
塗り替えなのか新築なのか、どんな仕上がりを希望するかによって、向いているタイプは変わってきます。
まずは木部の状態を見てもらいながら、ご自宅に合った塗料を一緒に探していきましょう。
茅ヶ崎での木部塗装は、ハーモニーホームにお気軽にご相談ください。
